研究課題/領域番号 |
19K19842
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
伊藤 晃洋 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (50807419)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心臓外科術後 / 胸骨正中切開 / 周術期 / 脊柱可動域 / 姿勢 |
研究実績の概要 |
2021年度はコロナ禍の影響により外来での計測が難しい状況であったため、入院患者を中心として計測を行った。 症例数が増加したため、統計手法、測定項目を検討し、術前・術後の脊柱可動域変化における要因分析を実施した。分析対象者は、82 名(男性55名、女性27名)であった。周術期要因は、手術時間、術後測定までの日数、術後3日目のCRP、離床開始日、術後2 日目の離床進行段階とした。統計は、まず各脊柱項目の術前後で対応のあるt 検定を行った.その後、術前後で有意な変化があった脊柱可動域の変化量を従属変数、周術期要因を独立変数、年齢、性別、BMIを調整変数とした重回帰分析(強制投入法)を行った。 その結果、術前後の脊柱項目では、胸椎可動域にのみ有意な低下がみられた。また、胸椎可動域を従属変数とした重回帰分析では、術後3日目のCRPに負の影響(β=-0.30、p < 0.01)が認められた. 症例数を増加して周術期での脊柱変化に対する要因分析を行った結果、胸椎可動域が低下し、術後の炎症が影響を与えていることが明らかとなった。このことから浮腫や創部の瘢痕化による可動域制限や筋力低下による可動能力の低下の影響が示唆された。 現在、症例を重ねている腹部手術との違いを明らかにしていくこと、小数例にはなってしまうが術前・術後・退院後(胸骨骨癒合後)での分析と実施することを中心にカルテからの医療情報等の収集、統計方法の検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定していた物品(スパイナルマウス)が購入できなかったため、複数関連施設での同時計測を進められなかった点がある。 さらに現在も新型コロナウイルスの影響により、協力施設のスタッフも新型コロナウイルスの対応に追われていること、発生状況により外来患者が制限されることもあり、退院後の調査が難しい状況が継続している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの影響により、外来での計測を当初の予定通り実施するのが難しい状況である。そのため、今後は現在測定実施できた症例数(予定の半数程度実施済み)での解析を進める予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で症例数が増やせなかったため、論文作成・投稿に遅れが生じているため。2022年度中に論文作成・投稿を複数行う予定である。
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