生体における胸骨正中切開後の脊柱アライメント・可動域の変化については、これまで明らかになっていなかった。胸郭標本を用いた先行研究では、過可動になると報告されていたが、生体での結果は反対に動きが制限されるものであった。この結果から、動きが制限されることを考慮した、生活指導やリハビリテーション介入が必要と考えられる。要因としては術後の炎症が最も関連しており、術後の炎症管理や適切な離床が効果的と考えられる。動きの制限について、長期的には改善傾向であるものの、術前と同様まで戻るのには時間がかかる可能性があり、注意深い観察が必要である。
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