研究課題/領域番号 |
19K19857
|
研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
木村 大輔 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (10759658)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | オンライン・アジャストメント / 動的バランス / 加齢影響 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は経頭蓋直流電気刺激により特定の脳部位の機能を抑制・促通することで、下肢のオンライン調整における変化を捉え、特定の脳領域の関与を明らかにし、転倒分野のリハビリテーション介入に新たな治療方略を構築することである。
3年次の計画は以下のものであった。下肢オンライン調整に行う脳の機能的役割を理解するために、経頭蓋直流電気刺激下での若年者の動的バランス課題(立脚期)とトレッドミル歩行課題(遊脚期)を観察する実験を実施することであった。具体的に1つ目は、両課題において30名の若年者のデータ測定を完了することであった。2つ目は、動的バランスに関して筋電図の同期測定や、プログラミングによる詳細な解析方法を構築すること、トレッドミル歩行課題では歩行リズムの測定法を検討し分析を進めることであった。3つ目は1年目に国際学会で発表した内容を論文し国際誌に投稿することであった。
上記の計画に対して、3年次の実績は以下のようなものになる。 動的バランス課題に関しては、若年者30名のデータを測定し終えることができ、一通りの分析を完了することができた。結果、10-20法のF3(背外側前頭前野領域)へのtDCS陰極刺激は、着地後の左右方向への重心動揺の不安定性を増加させた。トレッドミル歩行課題も、いまだ被験者数が足りていないものの、若年者12名のデータを計測し分析を進めることができた。結果、F3へのtDCS陰極刺激は歩行の非対称性を増加させた。高齢者に対して経頭蓋直流電気刺激を与える実験をまだ実施できていないが、高齢者群を含めた動的バランス課題における論文を執筆中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2年次に新型コロナウイルスの影響により業者とのやりとりが円滑に進まず、本研究の主要機器である経頭蓋直流電気刺激装置の準備が遅れ十分に研究を進めることができなかった。3年次で多くの研究データを取得することができ、遅れを取り戻しつつある。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、現在あるデータで論文を作成する。遠隔ツールを使って機器の準備を進め、対象者を高齢者から中年者に切り替え、被験者のリクルートを円滑にする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
被験者の謝金や出張費、校正・投稿費を使用することが少なく次年度使用額が生じた。次年度使用額は今までの成果をまとめる論文投稿費として使用し、また被験者数を増やし、データを測定し新たな被験者の謝金、データ測定と出張費、新たな論文の投稿費として利用する。
|