研究課題/領域番号 |
19K19861
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研究機関 | 独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター(研究部) |
研究代表者 |
林 哲生 独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター(研究部), 独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター(研究部), 研究員(移行) (00769680)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 嚥下障害 / 頚髄損傷 / 呼吸障害 / 麻痺 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、頚髄損傷における呼吸機能低下が、嚥下障害や誤嚥性肺炎に及ぼす影響を明らかにすることであるが、急性期頚髄損傷で受傷後2週以内に入院した患者に対して、受傷後2週・1か月・2か月・3か月でCough Peek Flowを含んだ呼吸機能検査を前向きに行い、データを収集している。また嚥下障害も誤嚥と定義される嚥下障害臨床重症度分類で4以下と判定された症例に対して、嚥下造影もしくは嚥下内視鏡を行い、経時的に嚥下障害の評価を行っている。栄養評価のデータも併せて収集し、解析を行っている。 論文としては、「Incidence and risk factors of pneumonia following acute traumatic cervical spinal cord injury」というタイトルで国際学会誌であるSpinal Cordに投稿して返事待ちの状態である。急性期頚髄損傷後の肺炎の発生率とリスクファクターを調査し、リスクファクターは臨床重症度分類4以下の誤嚥を含む嚥下障害とASIA Impairment Scale AもしくはBの運動完全麻痺であった。すなわち誤嚥が肺炎の重要な因子であったことが証明された。 嚥下障害と呼吸機能の相関関係についても調査しており、一秒量と肺活量の低下は有意に嚥下障害に相関していた。これは、日本リハビリテーション医学会秋季学術集会2020と日本脊椎脊髄病学会2021に学会報告している。現在、英語論文作成に向けて執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データも順調に蓄積しており、学会発表はもちろんのこと、英語論文も順調に作成できているため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も前向き研究を順調に進めていく。電子カルテ上で、入院時のオーダーに呼吸機能検査を自動的に組み入れることができたので、円滑に進んでいくものと考えられるが、検査漏れがあるかどうか、日々のチェックも重要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍にてWeb開催が多く、旅費が減ったため、次年度使用額が生じた。来年度は、学会参加も積極的に行える可能性がある。
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