研究課題
本研究の目的は、頚髄損傷における呼吸機能低下が、嚥下障害や誤嚥性肺炎に及ぼす影響を明らかにすることである。我々は、急性期頚髄損傷で受傷後2週以内に入院した患者に対して、受傷後2週・1か月・2か月・3か月でCough Peek Flowを含んだ呼吸機能検査を前向きに行い、データを収集してきた。また嚥下障害も誤嚥と定義される嚥下障害臨床重症度分類で4以下と判定された症例に対して、嚥下造影もしくは嚥下内視鏡を行い、経時的に嚥下障害の評価を行ってきた。栄養評価のデータも併せて収集し、解析を行った。論文としては、「Incidence and risk factors of pneumonia following acute traumatic cervical spinal cord injury」というタイトルで国際学会誌であるJournal of Spinal Cord Medicineにpublishした。急性期頚髄損傷後の肺炎の発生率とリスクファクターを調査し、リスクファクターは臨床重症度分類4以下の誤嚥を含む嚥下障害とASIA Impairment Scale AもしくはBの運動完全麻痺であった。すなわち誤嚥が肺炎の重要な因子であったことが証明された。嚥下障害と呼吸機能の相関関係についても調査しており、一秒量と肺活量の低下は有意に嚥下障害に相関していた。これは、日本リハビリテーション医学会秋季学術集会2020と日本脊椎脊髄病学会2021に学会報告し、国際誌であるSpine Surgery and Related Research (SSRR)にacceptた。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
The Journal of Spinal Cord Medicine
巻: a head of print ページ: 1~7
10.1080/10790268.2022.2027323