研究課題/領域番号 |
19K19864
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
照井 佳乃 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (30806344)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脳卒中 / 3軸加速度計 / 歩行 / 左右非対称性 / 呼吸機能 / 呼吸筋力 |
研究実績の概要 |
本研究は,脳卒中患者の歩行時体幹運動左右非対称性と呼吸筋力の関連を検討することを目的とした. 歩行時体幹運動左右非対称性の新しい評価法として,体幹に装着した加速度計で測定した加速度から算出したLissajous Index(以下,LI)を採用した.対象は脳卒中片麻痺患者25名(平均年齢61±11歳,BMI21.6±2.8,ブルンストロームステージⅢ4名/Ⅳ8名/Ⅴ10名/Ⅵ3名)とした.LIを算出するために,3軸加速度計を腰部第3腰椎の高さに装着し,10mの歩行を快適歩行速度で行った.また,呼吸機能・呼吸筋力の測定を行った.測定は介助なしで歩行可能となった時点(初回測定)および初回測定から1か月後に2回目の測定を行った. 初回測定の結果(平均±SD)は%VC: 88.5±14.0%,%FEV1: 81.7±25.7%,FEV1/FVC: 83.1±14.6%,%PImax: 48.0±28.6%,%PEmax: 44.0±20.1%,LI: 54.6±37.5%であった.1か月後測定の結果(平均±SD)は%VC: 93.0±13.9%,%FEV1: 91.0±16.9%,FEV1/FVC: 85.3±7.2%,%PImax: 64.2±32.3%,%PEmax: 50.7±19.5%,LI: 46.7±37.9%であった.%VC,%FEV1,%PImax,%PEmaxは初回測定よりも1か月測定で有意に増加し,LIは初回測定よりも1か月測定で有意に減少した.また,各測定項目において初回測定と1か月後測定の変化量(Δ)を求めて,LIと呼吸機能・呼吸筋力との相関関係をPearsonの積率相関係数で検討した結果,ΔLIと有意な相関関係が認められたのはΔ%PImax(r=-0.439)とΔ%PEmax(r=-0.476)であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ測定が進んでおり,また,これまでの研究成果の公表を学会発表で実施した.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は初年度に引き続きデータの収集を行う.さらに,2019年度の結果から呼吸筋を含む体幹筋力とLIの間に関連のある可能性が示唆されたため,体幹筋力や体幹機能の評価を追加して実施する予定である.また,2019年度で得られた結果について論文を作成し,公表する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は機器の購入や旅費等で経費を使用したが,謝金としての支出を要さなかった.次年度使用額は翌年度分として請求した助成金と合わせて,学会発表のための旅費や論文作成のための英文構成や雑誌投稿の費用として使用する予定である.
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