| 研究課題/領域番号 |
19K19865
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
武田 伊織 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (70792266)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | CFRP / 歩行支援 / 装具 / Deep Learning / OpenPose / モーションキャプチャ |
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| 研究実績の概要 |
①下肢伸展・屈曲時の筋使用量
装具に使用するCFRPの厚さや配置を検討した．厚いCFRPほど屈曲時の復元力が強いと期待できるが，そもそも屈曲自体が困難になる可能性がある．そこで，下肢を伸展・屈曲した際の筋使用量を筋電によって評価した．評価対象は，下肢の屈曲に寄与する前脛骨筋と，下肢の伸展に寄与する腓腹筋である．CFRPは，未装着および厚さ2mm，3mm，4mmとした．下肢の内側のみにCFRPを配置した場合，有意差はないものの，CFRPの厚さが増す毎に下肢伸展時の腓腹筋使用量が減少傾向にあった．下肢屈曲時は，CFRPの厚さが増す毎に前脛骨筋の活動量が上昇した（有意差なし）．CFRPは装着者自身の体重によって屈曲させるべきであるので，履き慣れることで筋活動量の上昇は解決可能である．CFRPを下肢の外側および後方に配置したモデルでは，厚さ3および4mmのCFRPで，下肢伸展時に腓腹筋使用量が，屈曲時に前脛骨筋使用量が有意に減少した．
②AIによる歩行評価とジャミング転移による装具の固定
先年，AIによる姿勢推定技術，すなわち撮影した動画から膝関節などの位置を検出する技術に着目し，撮影環境を問わない新たなモーションキャプチャとしての可能性を提示した．コロナ禍でのリモートワーク中に，この結果をまとめたものを論文化として投稿し，受理された．また，ジャミング転移とは，粉体の密度がある閾値より低い場合は流体的に振る舞う一方で，高い場合は固体的に振る舞う現象である（例：コーヒー粉の真空パック）．実施したジャミング転移による装具の固定に関して，②と同様論文化して投稿中である．
③装具の設計と性能評価
これまでの成果をもとに，最終的な装具の構成を決定した．緊急事態宣言もあり，当初想定していた被験者である学生を集めることが困難となってしまったため，筋電以外の評価は翌年度に繰越申請させていただいた．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に予定していた研究項目はおおむね完了し，後は実証実験の実施のみである．リモートワーク中は論文を執筆する時間がとれたため，これに関しては想定以上と言える．一方で被験者という人足が十分に得られないのもまた事実である．来年度の状況改善に期待しつつ，AI等を利用して立ち会わない形での評価法も模索している．
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| 今後の研究の推進方策 |
おおよそ当初の予定通り推移しているが，本装具の中腰作業時の腰痛対策としての応用という新たな発見があった．日本でも労災としての腰痛は問題となっているものの，具体的な指標は何も無いに等しい状況である．今回得られた知見をもとに，CFRPを用いた歩行および中腰作業支援装具として更なる研究を実施していく．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本来，研究協力者（学生被験者）への謝金として計上予定であったが，コロナ禍により集まっての実験が困難になったため，当該実験を次年度へと繰り越した．
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