研究課題/領域番号 |
19K19869
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
平瀬 達哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (20592752)
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研究期間 (年度) |
2020-03-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高齢者 / 慢性疼痛 / 予防 / 介入戦略 |
研究実績の概要 |
本研究では,慢性疼痛を発生していない高齢者に対する身体活動性の促進を図る介入プログラムを開発し,その長期的な効果についてランダム化比較対照試験で検証することを目的としている. 2020年度は,上半期に研究対象者をリクルートし下半期より介入を開始した.研究対象者の募集は新聞折込広告によって行われ,研究参加希望者は94名であった.郵送調査によって研究対象者としての適性評価を行った結果,選定基準(65歳以上,地域在住,3ヵ月以上持続している慢性疼痛を抱えていないなど)を満たした研究対象者は49名であった(平均年齢72.4歳,女性33名).これらの対象者に対して,研究説明会を開催し研究参加の同意を得た後にベースライン評価を行った.評価項目は,痛みに関連する質問評価,運動機能(握力,立ち上がり,歩行速度,骨格筋量など),認知機能(注意機能,情報処理速度など),身体活動量(加速度計)であり,これらに関するデータを取得した.そして,研究対象者を運動教室への参加に加え,身体活動性の促進を図る介入群24名,運動教室のみに参加する対照群25名にランダムに振り分けた. 介入群と対照群に共通して実施している運動教室は週1回開催しており,6ヵ月間継続する予定である.運動教室の内容に関しては,筋力増強・バランストレーニングから構成された60分間の運動プログラムを理学療法士の監視下で実施している.また,介入群に対しては歩数計を配布し歩数カレンダーを使用したセルフモニタリングを行っている. 2021年度は,介入中間時(介入3ヵ月後)と介入終了時(介入6ヵ月後)に評価を行い,介入群と対照群の介入効果の違いを明らかにしていく予定である.あわせて,新規の研究対象者をリクルートし,介入を開始するための準備も進めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は10月より介入を開始する予定であったが,COVID-19流行に伴う緊急事態宣言の発令などにより,研究対象者のリクルート時期ならびに介入の開始時期が遅れた.
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今後の研究の推進方策 |
今後も,COVID-19感染対策を徹底しながら介入を継続する.そして,介入中間時点と介入終了時に評価を行い,介入効果を明らかにする予定である.あわせて,新規研究対象者のリクルートと介入開始の準備も進めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19流行に伴い,学会参加等の旅費に関わる支出がなかったことと,介入開始時期の遅延による研究対象者のリクルート費用の支出が少なかったことが理由として挙げられる. 次年度は,新規研究対象者のリクルート費用ならびに学会参加等の費用として支出する予定である.
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