研究課題/領域番号 |
19K19880
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
原 毅 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (40807418)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 消化器がん患者 / 健康関連QOL / 早期回復支援 |
研究実績の概要 |
2020年度では、消化器がん患者のがん再発率や生存率と関連する健康関連Quality of Life(以下QOL)の術後早期の低下要因分析および早期回復支援プログラムの開発に向けて、研究対象者が2019年度の35%から増加し、予定症例数の約70%を確保できた。そのため、2021年度では三施設でのデータ収集を終了し、データ解析を順次開始している。 三施設データの解析結果より消化器がん患者の術後早期の健康関連QOLは、単施設データと同様に身体的な項目から精神的な項目までのほとんどが手術前より低下していることが明らかとなった。加えて、三施設データで術後早期の健康関連QOLの低下要因を検討した結果、消化器がん患者では、同時期の運動耐容能と手術前の健康関連QOLの高低が影響要因として多く検出された。また、がん進行度や術後合併症などの医学情報や手術前の所得状況など社会情報まで多角的な要因が影響することが明らかとなった。 消化器がん患者の術後早期の健康関連QOL(身体機能)を一般日本人平均値を基準に分類してアンカーに設定し、臨床的最小重要差を検討した。検討結果より、周術期における運動耐容能変化と日常生活に関わる健康関連QOLの項目が比較的強い関連を示した。術後早期では、消化器がん患者の健康関連QOLを向上させるために、できる限り運動耐容能の維持改善、日常生活に関わる困難感を軽減することが必要である可能性があきらかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、2020年度に予定症例数の約70%を確保できたため、先行研究を参考に三施設のデータ収集を終了した。 2021年4月現在は、データ解析を行い、消化器がん患者の術後早期の健康関連QOLに関する多施設データの解析結果を順次論文化している。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、三施設データを解析し、消化器がん患者の術後早期の健康関連QOLに関する解析結果を順次論文化して国際誌へ投稿する予定である。 具体的には、①術後早期の健康関連QOL(SF-36)下位尺度8項目を日本人平均値を使用して2群に分類し、周術期データを使用した要因分析を行う。②がん患者の治療中の変化に反応し、生存率と関連する下位尺度physical functioningをアンカーに設定し、リハビリテーション関連項目(体格、筋力、歩行耐久性、健康関連QOL)の最小臨床重要差を算出する。①②の検討により、具体的に着目すべき術後早期の健康関連QOLとその低下要因、目標とすべき各リハビリテーション関連項目の変化量、変化率の最小臨床重要差を明らかにし、消化器がん患者の手術後健康関連QOL低下に対する早期回復支援プログラムの一助とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により研究協力施設である各急性期医療機関の医療提供状況が大きく変化した。本研究対象者である消化器がん患者への医療提供状況が変化(例えば病棟内のみでの活動範囲制限など)したため、本研究も一時的に中断せざる得なかった。このため、使用額に差が生じたと考えている。 2021年度は、予定対象者数の約70%を確保できたため、データ解析を進行する予定であり、論文投稿など本研究に関わる必要経費として支出する予定である。
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