研究課題
心不全患者では、自律神経活動障害が起こり不良な予後と関連することが広く知られているが、自律神経活動の評価方法は煩雑であり、日常臨床において評価が定着していないのが実情である。そこで、本研究は、心不全患者において、元来煩雑な方法で行われていた自律神経機能の測定を、瞳孔の対光反射を数値化して測定できる専用の機械を用いて簡易的に測定し、その有用性を検証することを目的に実施されている。これまでの実績としては、日本心臓リハビリテーション学会学術集会や日本心不全学会学術集会において学会賞を受賞した。また、複数の英語論文や国際学会での発表にも至っており、心臓リハビリテーションに関する講習会などでもその実績が紹介されている。本年度は、新型コロナウィルス感染症による診療制限が解除されたことで、中断されていた瞳孔対光反射の測定が再開され、改めてデータの蓄積が再開された。現在はデータの蓄積と並行して整理や解析を行っているところである。また、並行して行っている関連研究については適宜解析や学会発表、論文化を進めており、本年度は「Hip International」誌へ英語論文が掲載された。また、チェコで開催されたヨーロッパ心不全学会、日本心臓リハビリテーション学会、日本循環器理学療法学会、日本運動器理学療法学会など、多数の学会が主催する学術集会において研究発表やシンポジウム発表を行った。今後は、本年度を研究最終年度として、データをまとめて論文発表を行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
新型コロナウィルス感染症による診療制限解除に伴い、測定再開に至り再度サンプルが増えている。これまで測定が中止されていたため欠損データは多いが、解析や論文化に至っており、これまでに複数の学会発表や英語論文としての発表に至ることができている。
前向きデータの蓄積と並行して、後ろ向きデータの解析を行い、最終的な形態としての英語論文執筆に向けて準備を進めていく。
研究の遅延に伴い学会参加や論文発表が遅延していることに加え、オープンアクセス誌への論文掲載がなく資金余剰が生じたため。繰越金は、次年度にて英文校正費や消耗品の購入に充てる予定である。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
HIP International
巻: 34 ページ: 33~41
10.1177/11207000231199169
Heart & Lung
巻: 60 ページ: 87~94
10.1016/j.hrtlng.2023.03.001