研究課題/領域番号 |
19K19885
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
原田 祐輔 杏林大学, 保健学部, 助教 (60611001)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 運動イメージ / メンタルローテーション / HMRT |
研究実績の概要 |
脳卒中患者の上肢機能障害に対する機能改善訓練として「手の心的回転課題(HMRT)」を用いた運動イメージ訓練がある.しかし,脳卒中患者へ臨床応用するにあたり,脳卒中後の機能障害や能力低下の程度とHMRTの関連は検討されておらず,適応基準も不明確である.本研究は,脳卒中患者のHMRT(運動イメージ)と機能障害(運動麻痺・感覚障害・認知機能障害),能力低下(日常生活活動の制限)の関係性を明らかにすることにより,脳卒中患者のHMRTにおける適応基準や効果判定基準の構築に向けた基礎的な知見を得ることを目的としている. 2022年度は収集したデータをもとに解析および学会発表を行った.右手利き初発脳卒中患者14名に対して実施したHMRTの結果から,HMRTの正答率と機能障害(MMSE,TMTA-B,FMA運動,FMA感覚),能力障害(FIM運動,FIM認知)との相関関係を確認した。HMRTの正答率と機能・能力障害の程度には有意な相関を認めず,脳卒中患者は機能・能力障害の影響を考慮せずにHMRTを導入できる可能性が考えられた.また,今回の結果では,脳卒中患者においても90%を超える正答率が確認されている(Medial 93.8%:自身の手を動かすとしたら動かしやすい角度,Lateral 90.6%:動かしにくい角度).HMRTは人によっては複雑な課題と捉えられることもあるが,脳卒中患者においても実施可能な課題の一つであることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染が終息しておらず,感染が拡大している時期はデータ収集が滞った.具体的な理由としては,対象を入院中の脳卒中患者としているため,感染拡大時はより慎重な対応が求められたことが挙げられる.
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今後の研究の推進方策 |
脳卒中患者に対する横断的・縦断的なデータ収集を継続する.これまでの横断的・縦断的データをもとに論文公表および学会発表を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により当初計画よりも研究遂行がやや遅れている.論文作成に関わる英文校正費や学会発表における旅費などの支出を予定している.
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