本研究は、健常者を対象に振動刺激前後で運動機能の変化(筋力)と脊髄レベルの興奮水準、大脳皮質レベルの興奮水準を計測した。振動刺激は2種類の条件を設定し、条件1手関節屈伸の中間位(通常の筋長)と、条件2手関節伸展位(手関節屈筋を背屈40度に伸長)とした。結果では条件1、2ともに刺激筋である手関節屈筋筋力と拮抗筋となる手関節伸筋筋力をそれぞれ増加させ、脊髄の興奮性は概ね抑制し、大脳皮質の興奮性を増加させた。条件1の刺激は条件2と比較して軽度だが手関節屈伸筋力の変化量が大きく、大脳皮質の興奮性の増加量が大きい。条件2の刺激は条件1と比較して脊髄の興奮水準の抑制効果が高い傾向があった。
|