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2019 年度 実施状況報告書

退院後心不全患者の包括的管理を可能とする革新的遠隔心臓リハビリテーションの確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K19900
研究機関国立研究開発法人国立循環器病研究センター

研究代表者

三浦 弘之  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (70816834)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード心臓リハビリテーション / 遠隔医療 / 心不全
研究実績の概要

心不全患者に対する心臓リハビリテーションの有効性は確立されているものの、その継続率は極めて低い。患者の心臓リハビリテーションへのアクセスを向上させる遠隔心臓リハビリテーションは、継続率を向上させるための有効なアプローチとなる可能性があるが、心不全に適した遠隔心臓リハビリテーションのモデルは確立されていない。そこで本年度は、以下の研究をすすめた。
①当センターの過去の心臓リハビリテーション実施症例の後ろ向き解析により、心臓リハビリテーション中に評価すべき心不全増悪の指標を同定した。結果として、同一負荷量に対する心拍数や換気量の変化率を評価することで、心不全増悪兆候を早期に発見することが可能であることがあきらかとなった、具体的には、BNPの1.5倍以上への増加を検出する診断能は、「同一負荷量に対する換気量変化率」を用いた場合は感度60%、特異度77%、AUC=0.7であり、「同一負荷量に対する心拍数の変化率」を用いた場合は感度55%、特異度82%、AUC=0.67であった。また、「同一負荷量に対する心拍数の変化率」を用いる場合は、陰性返事作用を有する薬剤の調整に十分注意する必要があることも示唆された。この結果は第25回日本心臓リハビリテーション学術集会において発表した。
②高齢心不全患者に対する遠隔心臓リハビリテーションの有用性を評価するための前向き臨床試験を開始し、患者の登録を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

心不全患者に対する遠隔心臓リハビリテーションを開始するにあたり、モニタリングすべき指標を同定することができ、学会において発表することができている。また、その結果を踏まえ、前向き臨床研究を開始することができている。

今後の研究の推進方策

本年度、前向き臨床研究を開始することができているため、次年度は主にこの前向き臨床研究を進めていく。
現時点の問題点としては、患者組み入れが想定より遅延していることである。マンパワーの拡充、研究計画の見直しを行い、予定通り進捗するようにする予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初、家庭内体組成計を購入し遠隔心臓リハビリテーションへ活用することを想定していたが、後ろ向き解析により、家庭内体組成計により得られる指標の有用性を示すことができなかった。そのため、家庭用体組成計の購入をしておらず、次年度への繰り越しとなっている。一方、前向き介入研究を開始することができているが、患者組み入れが想定より遅い状況にある。そのため繰越金は人件費として用いてマンパワーの拡充を行い、対応する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 心臓リハビリテーション中に評価すべき心不全増悪のモニタリング指標の探索2019

    • 著者名/発表者名
      三浦 弘之
    • 学会等名
      第25回日本心臓リハビリテーション学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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