研究課題/領域番号 |
19K19902
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
清水 如代 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (40620993)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 / 上肢駆動HAL |
研究実績の概要 |
脊髄損傷完全対麻痺患者に対し、ロボットスーツHALを用いた歩行訓練を行った。患者は脊髄損傷患者3名(神経学的高位T9A、C5A、T11A)で、随意的な下肢運動が行えない患者を対象とした。随意的股関節屈曲、膝伸展動作、下肢装具や介助下歩行(可能者のみ)のビデオ撮影及び動作解析を行い、麻痺患者が随意的にコントロールできる筋を同定した。筑波大学に設置してある三次元動作解析装置VICON MX T20sカメラ16台、Trigno Lab wireless EMG system(米Delsys)を同期計測し、大腿筋膜張筋、大腿筋四頭筋、半膜様筋、大殿筋の筋活動を評価した。 上肢駆動HAL(下肢用電極を、反対側上肢に貼付して上肢の運動をトリガーとしてHALを駆動する)による歩行訓練を行い、その実行可能性、歩行時の筋活動評価を行った。 随意的な筋活動がない症例であっても、HAL歩行時には周期的な下肢筋活動がみられた。
学会発表としては、第8回日本脳神経HAL研究会、第54回脊髄障害医学会、第38回運動器移植・再生医学研究会、第92回日本整形外科学会学術総会、International Society for Prosthetics and Orthotics (ISPO) 17th World Congressで報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者は3例であったが、施行例の、HAL中の下肢筋活動の評価が可能であった。また、介入に際し、必要な機器の改良の検討を行うことができた。 自力立位不可の患者を対象としたため、必要な補装具作製(免荷用のハーネスや既成補装具の改良)を行った。下肢麻痺患者の類似例として、両大腿切断患者に関しても体幹から下肢の筋活動評価を行った。 また、来年度予定しているfMRIの撮影方法についても検討し、来年度へスムーズにつなげられる成果であった。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、HALによる中枢神経系へのフィートバックを評価するためにfMRIを予定する。HAL介入前後での票を予定している。患者が本施設に来院する必要があるため、コロナ感染状況が律速段階になる可能性がある。感染状況を見て、適切なプロテクト(手指衛生、アイシールド、マスク、手袋着用)の上で研究継続予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費が、他の研究費で使用できたためその分を使用しなかったことと、解析用パソコンについて、来年度に購入を持ち越ししたため。
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