本研究は、脊髄損傷完全対麻痺患者に対し、ロボットスーツHALを使用した訓練法に関するものである。麻痺患者の下肢を随意的に動かすために、脊髄損傷に伴う四肢・対麻痺者がHALを装着し、下肢駆動用電極を、反対側上肢に貼付して上肢の運動をトリガーとしてHALを駆動する『上肢駆動HAL』による歩行訓練を行い、その実行可能性、歩行時の筋活動評価を行う研究である。 本年度は、昨年度まで実施した症例に対するデータ解析及び新規症例2症例を行った。下肢に随意的な筋活動がない症例であっても、HAL歩行時には、立脚時に周期的な下肢筋活動がみられ、上肢と下肢の連動した運動の有効性が示唆された。 また、HALによる筋活動の改善には、中枢性のフィードバックがあると考えられ、その検証のために、介入前後のfMRIを実施した。 研究成果については、第94回日本整形外科学会学術総会、第36回日本整形外科学基礎学術集会、第5回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会で発表した。
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