研究課題/領域番号 |
19K19904
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
武田 千絵 金沢大学, 保健学系, 助教 (70708487)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 近赤外分光法 / 前頭葉機能 / 健常者 / 後出しじゃんけん |
研究実績の概要 |
本研究ではどこでも容易に測定可能なポータブルのNIRS測定機器を用いて、体を使用して行う後出しじゃんけん(後出しボディーじゃんけん)を行った際の脳活動について、幅広い年代の健常者を対象に実施し、後出しじゃんけんと同様の前頭葉賦活が確認されるか、また後出しじゃんけんと比較し、脳活動などに違いがあるかを検討することを目的に実施する。後出しじゃんけんでは既に前頭葉賦活が確認されており、臨床場面でもレクリエーション課題として導入されているが、後出しボディーじゃんけんは新たなじゃんけんの手の型に変換して後出しじゃんけんを実施していくなど、後出しじゃんけんよりも難しい課題であることは先行研究で既に報告しており、今年度若年者と高齢者を対象に後出しボディーじゃんけんを行い、後出しじゃんけんとパフォーマンスの違いについて検討した報告を行った。 本年度では後出しボディーじゃんけん遂行時の脳活動について測定するため、ポータブルのNIRSである光イメージング脳機能測定装置スペクトラテックOEG-16を導入し、本研究の予備実験を開始した。本測定装置での測定は十分スムーズに実施出来、予備実験により本研究で実施する課題に関連した内容で前頭葉の賦活を確認できたが、一部測定方法の見直しなどを行う必要があることがわかった。測定デザインの見直しなどを進めており、研究計画などを予備実験結果よりブラッシュアップし、今度さらなる詳細な研究を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究に必要な測定装置の購入が少し遅れてしまい、測定装置を導入し測定が可能となったのが令和2年の1月末であった。それまでの期間は本研究の計画を確認し、測定装置導入後すぐに予備実験を実施できるように調整していた。また後出しボディーじゃんけんについて、脳活動ではなくパフォーマンスについて検討を行った論文も投稿するなどしていた。 測定装置導入後、予備実験を実施したが、研究計画で一部修正すべき点が確認された。機器の動作確認は問題なく実施でき、数件の予備実験も実施、測定もスムーズに可能となったが、研究計画の一部修正などもあり、次年度においてすぐに本実験に以降出来ず、再度予備実験より実施していく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
本測定に必須の測定機器は概ねそろっているが、必要な機材はもう少しあるため、次年度購入し進めていく予定である。また、研究計画の修正を行い、次年度も予備実験を実施し、できる限り早く本実験に以降出来るよう調整中である。しかし、現在全世界的流行が見られる感染症の影響により、人同士の接触が大きく制限されており、本研究は対象者を幅広い年代の健常者としていることから、さらなる測定の遅れが懸念される。まずは測定環境を整え、出来る範囲で予備実験を進め、測定が可能となった際にすぐに測定に移ることができるように環境を調整する方向で進めている。次年度では各年代で5~10名程度のデータを少なくとも測定できることを目標に、現在は測定環境を調整している。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度研究に必須の測定装置を購入したが、装置購入時期が少し遅れたことや研究計画に修正すべき点が生じたことから、当初予定していた測定に関わる人件費の使用がなかった。またこのほかに購入すべき物品の購入検討が遅れたこともあり、今年度購入を決定出来なかった物品もあり、これらの理由により次年度使用額が生じることとなった。 次年度使用額と当該年度以降として請求する助成金と合わせて前年度に購入することが出来なかった物品を中心に使用する予定である。
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