研究課題/領域番号 |
19K19909
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
陶山 和晃 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 客員研究員 (50836236)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 遠隔リハビリテーション / 呼吸リハビリテーション / 呼吸理学療法 / 慢性閉塞性肺疾患 / 運動耐容能 / 健康関連生活の質 / 身体活動 / 運動療法 |
研究実績の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対する遠隔的呼吸リハビリテーション(PTR)のプロトコルを再編し,2021年度はPTRの介入効果を検証するためのデータ収集を行ってきた. 対象は安定期外来COPD患者とし,オンライン診療システム(インテグリティ・ヘルスケア社)をインストールした端末を医療機関と対象者の自宅に設置した.生体情報は経皮的動脈血酸素飽和度や血圧等の測定値を口頭で随時確認し,緊急時には主治医への連絡とともに理学療法士が対象者の自宅へ直ちに訪問できる体制を取った.本システムを介して,理学療法士と対象者が画面上にて1:1でPTRプログラム(呼吸体操,四肢筋力トレーニング,座位エルゴメーター運動,身体活動指導)を8週間(2回/週)・計16セッション実施した.座位エルゴメーター運動に関しては,漸増運動負荷試験より得られた最高仕事量(Wpeak)の40%負荷強度で20分間行い,2週目以降は自覚的運動強度(修正ボルグスケール4-5相当)を指標に漸増させ,60%Wpeakを目標強度と設定した.四肢筋力トレーニングはセラバンドや自宅の椅子等を用いて,同様の自覚的運動強度を指標に実施した.その他,活動日誌を用いて日々の呼吸器症状や身体活動状況を確認し,個別的な身体活動指導を実施した. 参加者4名のうち,PTRプロトコルを完遂した者は3名であった.8週間のPTRプログラムを実施した結果,運動耐容能(ΔISWD)は+60m,身体活動量(Δ歩数)は+2,788歩/日,健康関連生活の質(ΔSGRQ total)は-8.9点といずれのアウトカムにおいても,従来の呼吸リハビリテーションの臨床的最小有意差を超えた改善が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題を開始した当初の研究計画では,2020年度より慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者への遠隔的呼吸リハビリテーション(PTR)の介入効果を検証するためのデータ収集を開始し,2021年度には予定症例数の収集が完了する予定であった.しかし,新型コロナウィルスの流行に伴い,研究代表者が所属している医療機関においてリハビリテーション診療の規制措置が施され,本研究のためのデータ収集開始の遅延および一時的な中断を余儀なくされたことが主たる要因である.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は外来通院中の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象に,遠隔的呼吸リハビリテーション(PTR)の介入効果を検証するため,計20名(介入群:10名,対照群:10名)を目標にデータ収集の継続を行う.その後,統計解析ソフトにてデータ解析を行なうとともに,本研究課題の目的である,在宅COPD患者へのPTRの”実施可能性”について結論を導き出す.得られた知見に関しては,関連学会での学会発表ならびに国内学術雑誌での論文掲載により公表を行なっていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス流行に伴い,データ収集が遅延したことで2021年度に予定していた学会発表や論文投稿を行うことができなかった.したがって,当該年度の予算に計上していた学会発表や論文掲載にかかる費用を執行することができなかったため,次年度使用額が生じたものである.この差額に関しては,2022年度にデータ収集を行なったのちに,関連学会での学会発表ならびに国内学術雑誌への論文投稿の際に使用する計画としている.
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