研究課題/領域番号 |
19K19913
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中島 和希 横浜市立大学, 医学研究科, 特任講師 (10737323)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 機能回復 / リハビリテーション / AMPA受容体 / 代償回路 / 内包出血 / PET |
研究実績の概要 |
脳損傷後のリハビリテーション(リハビリ)が効果的な時期が存在すると考えられているが、慢性期においても一定のリハビリの効果は認められる。では、機能回復の幅が大きいとされる回復期(損傷後初期)と慢性期(損傷後後期)リハビリによる機能回復メカニズムは同一であろうか。本研究では、回復期と慢性期に着目して、それぞれの神経回路再構築メカニズムを明らかにする。回復期と慢性期で共通して観察される神経回路再構築と非共通な神経回路再構築をAMPA受容体に着目して明らかにし、脳損傷後の機能回復メカニズムを回復時期縦断的に明らかにすることを目的とする。 2019年度の研究実績として、内包出血モデルラットの作製及びAMPA受容体標識PET probeを用いたPET(AMPA受容体PET)撮像を進めてきた。2020年度の研究実施計画では、AMPA受容体PET撮像を行い、運動機能回復を担う代償領域の同定を目指している。内包出血モデルを作製し、損傷1-12週後に週1回の運動機能評価を行ったが、慢性期に至る前に運動機能回復を示してしまい、予想通りの個体作製が困難であった。そのため、内包出血モデル作製の再考を行った。注入するコラゲナーゼ(タイプⅣ)の再調整や濃度検討を行うことで、65%程度の確率で慢性内包出血モデルの作製に成功した。同モデルに4週間(5日/週)のリハビリテーションを行ったところ、0-20%程度の回復率の変化を示した。現在、同個体のAMPA受容体PET撮像及び免疫組織化学実験(AMPA受容体、c-fos、ARC)を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
内包出血モデル作製を再考したため、その後の実験計画が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
4週間のリハビリが終了した慢性期内包出血モデルラットに対して、AMPA受容体標識PET probeを用いたPET撮像を行い、撮像後の個体は免疫組織化学実験に用いる。取得したPET画像を解析し、AMPA受容体高集積部位を同定し、生理学的機能の検討を行っていく。 さらに、回復期・慢性期脳卒中モデルラットにおいて免疫組織化学的実験も行い、運動機能回復に伴う代償領域の同定を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
内包出血モデル作製の再考を行い、同モデルを用いた実験が延期され、実験予定よりも使用額が減額となったため。
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