研究課題/領域番号 |
19K19914
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
遠山 将吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00388183)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 関節リウマチ / サルコペニア / 速筋 / 遅筋 |
研究実績の概要 |
関節リウマチ(rheumatoid arthritis; RA)に対する薬物治療の進歩により関節炎の寛解が得られるようになったが、依然としてサルコペニアの罹患率が高くRA患者のADL障害の大きな要因となっている。一方、遅筋は速筋の約5倍マイオカインを分泌することがこれまで明らかになっており、遅筋の比率が高い下腿への刺激が全身の筋肥大をもたらすことができれば、サルコペニアの有効な治療法になり得ると考えた。 令和1年度は動物関節炎モデルを用いて速筋と遅筋における影響について解析した。8週齢のDAラットにおける関節炎(CIA)モデルを用いた。タイプ2コラーゲンによる関節炎を惹起して6週経過してから、体重を測定後に速筋である長趾伸筋(EDL)および遅筋であるヒラメ筋(Soleus)を摘出し、それぞれ筋湿重量を測定しPicro-Sirius Red染色で組織学的に解析した。 control群にくらべてCIA群では体重が有意に低下していた。また、EDL,SoleusともにCIA群で重量の低下を認めたが、Soleusで特に低下が大きかった。Picro-Sirius red染色ではCIA群におけるSoleusでより線維化を生じていた。 このことから関節炎惹起後6週の時点ではEDLにくらべてSoleusで筋肉の萎縮・線維化が起こっており、遅筋は治療対象になると考えた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関節炎モデルにおける速筋・遅筋への影響について順調に解析できている。
|
今後の研究の推進方策 |
遅筋におけるマイオカインの発現について解析を行っていく。遅筋へのグルタミン注射や運動負荷など各種刺激を与え、マイオカイン発現を分析し、筋肥大につながる適切な刺激を検討する
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画よりも若干円滑に実験計画を遂行することが可能であったため次年度使用額が発生した。翌年度に用いる試薬や免疫染色を含めた組織学的検討を行っていく費用に使用する予定である。
|