動物関節炎モデルを用いて関節炎が速筋と遅筋に与える影響について解析したところ、速筋線維の豊富な長趾伸筋にくらべて遅筋線維の豊富なヒラメ筋で筋肉の萎縮・線維化が起こっていた。次にトレッドミル走行の効果を検討した。その結果、免疫感作後2週で筋たんぱく質のanabolic markerであるEif4eで、感作後6週でcatabolic markerであるAtrogin-1に運動の有無・筋肉の違いにおいて交互作用を認め、ヒラメ筋において発現が上昇していた。また、4週間の運動は遅筋で生じる筋萎縮を予防した。トレッドミル走行は筋肉の代謝回転を調節することで遅筋の萎縮や線維化を予防する可能性があると考えた。
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