研究課題/領域番号 |
19K19916
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研究機関 | 北海道千歳リハビリテーション大学 |
研究代表者 |
小林 匠 北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 教授 (90774711)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 理学療法学 / リハビリテーション科学 / 足関節捻挫 |
研究実績の概要 |
本年度は,昨年度に得られた慢性足関節不安定症(chronic ankle instability; CAI)における静的筋弾性の特徴の結果を踏まえて研究を実施した。本年度は,足関節外側靱帯損傷の有無と自覚的足関節不安定感,静的筋弾性の関連性を検討することを目的とした。はじめに,大学生を対象にInternational Ankle Consortium(IAC)の基準に基づき,両足ともに捻挫の既往がない健常群,IACの基準を満たすものの自覚的な足関節不安定感の無いCoper群,IAC基準を満たし自覚的な足関節不安定感も有するCAI群をリクルートし,各対象者における前距腓靱帯の性状を超音波診断装置にて観察した(129足)。また,Coper群とCAI群は前方引き出しテストによる移動量も伸縮センサーを用いて検討した(46足)。その結果,Coper群とCAI群で前距腓靱帯損傷を有する例の割合に有意差は認めず,前距腓靱帯損傷はCAIにおける自覚的不安定感に及ぼす影響が少ないと推測された。一方,前距腓靱帯損傷足では,前方引き出しテスト時の移動量が有意に大きいことが示された。今年度の結果をもとに,次年度は前距腓靱帯損傷の有無で足関節底屈筋群(腓腹筋内側頭・腓腹筋外側頭・ヒラメ筋・長腓骨筋)の静的筋弾性の特徴に変化が生じるかを検討する予定であり,現在超音波剪断波エラストグラフィ装置を用いた実験を継続的に実施している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で当初の予定より実験の進行が遅れており,1年間の研究期間の延長を余儀なくされた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は前距腓靱帯損傷の有無で足関節周囲筋群の静的筋弾性や筋機能に変化が生じるかを明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の進行が当初の予定より遅れており,学会発表や論文掲載に必要な予算を使用することができていないため。次年度は研究結果を発表することができる予定であり,旅費や論文掲載料等に予算を使用する予定である。
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