健常者計21名を対象に空間注意と運動を組み合わせた課題の実施中に脳波計測を行った。提示課題として周辺視野内を一定のスピードで時計回り/反時計回りに移動する視覚指標を用いた。計測した脳波は短時間フーリエ変換で時間周波数解析を行った。その結果、運動開始時点の指標の位置や移動方向によってα~β波帯域の事象関連脱同期(ERD)の出現強度や分布に影響がみられ、(1)運動時の指標位置の左右半視野と同側半球でα~β-ERDは増大した。また、(2)視覚指標が上方向に移動中に運動した場合にα-ERDは後頭半球で増大し、下方向へ移動中の運動では抑制された。これらは左右どちらの手で運動した場合も同様の結果を示した。
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