本研究では,一定時間の機械的触覚刺激によって体性感覚野の興奮性が変化することを示した.さらに,その変化は機械的触覚刺激の刺激パターンに依存することを明らかにし,その背景にある神経生理学的メカニズムは異なる可能性が示唆された.脳卒中患者の感覚障害は,原因となる要因が複数考えられるため,患者の状況に合わせて機械的触覚刺激のパターンを変えることで有効な介入手段となりうる可能性が示唆された.今回の結果は,実際の患者を対象とした臨床研究に発展させるなど,臨床応用に向けた実験につながるものであり,学術的および社会的意義が高い研究になったと考えられる.
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