脳卒中後に生じる麻痺側肩関節亜脱臼の予防的治療に対し,反復末梢磁気刺激を用いた新たな治療法を開発することに成功した.脳卒中後の肩関節亜脱臼の発生率は17-81%と報告され,肩関節に痛みを発生させる一因になるだけでなく,日常生活活動を阻害し,機能予後にも悪影響を与える.従来の電気刺激を用いた治療は刺激時に痛みが生じやすいことや長時間の刺激が必要なこと等,臨床で活用する上での課題があったが,磁気刺激はそれらの課題を克服できる.本研究で開発した肩関節亜脱臼の予防に対する治療法は,多くの脳卒中患者に有益な効果を与え,リハビリテーションにおける新たな治療手段となり得る.
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