研究課題
本研究は、倒立振子制御ロボット技術と難易度の自動判定技術を搭載したバランス練習ロボットがフレイル(虚弱)高齢者の転倒予防に与える効果を検証する。具体的には、フレイル高齢者100名を3つの介入群(バランス練習ロボット群、運動指導群、個別リハビリ群)に割り付け2ヶ月間の介入を実施し、介入 6ヶ月後・1年後の運動機能、フレイル状態、転倒数等を2群間で比較する。それにより、バランス練習ロボットが運動指導よりも効果が高く、個別リハビリと 非劣等の関係であるかどうかを検証する。 今年度も昨年度に引き続き症例登録を行なった。Covid-19ウイルス蔓延の影響もあり、これまでのの症例登録数は61名に留まったため、今年度も症例登録を続け、現在81名がエントリーされている。そのうち6ヶ月後の評価まで終了された方が70名、1年後評価まで修了された方が61名である。各群の登録数はバランス練習ロボット群28名、個別リハビリ群27名、運動指導群26名であり、そのうち11名が様々な理由でドロップアウトになった。 症例登録が終了していれば介入効果と効果の持続性に関するデータを纏め研究成果を報告する予定であったが、本年度中にも十分の確保ができなかった。そのため、3年で予定した研究期間を延長し、次年度以降も対象者への介入と介入後の追跡調査を行い、運動機能やADL能力、身体活動量や転倒などに与える効果を分析する予定である。
4: 遅れている
Covid-19ウイルスの蔓延に伴い、フレイルを有する地域在住高齢者の外来受診者及びリハビリテーション科への通院者が減っているためリクルート、研究の進捗に遅れを生じている。
目標症例数は100名であるため次年度も引き続き対象者のリクルートをするとともに、対象者への介入、介入後の追跡調査を行う。しかし、研究の遅延が Covid-19ウイルスの蔓延によるため目標症例数に達しない可能性も予測される。その場合は、その時点で登録されている症例数で統計解析を行い、運動機能や ADL能力、身体活動量や転倒などに与える効果を分析する予定である。
新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により研究計画に遅れを生じたため、解析、報告書作成、論文投稿や学会発表等にかかる経費が予定した額より少なかった。次年度は上記の計上を予定している。
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Precision Medicine
巻: 5 ページ: 78-81
Bio Clinica
巻: 36 ページ: 69-72