研究課題/領域番号 |
19K19948
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 雄太 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 講師 (90747825)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 慣性センサ / ニューラルネットワーク / 動作分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,腰部および下肢に貼付した慣性センサから得られる身体各部の運動データとディープラーニングを用いて跳躍動作を評価するシステムを構築することである.令和元年度には,成人男女10名を対象に跳躍動作の実験を実施した.被験者には腰に手を当てた状態で静止立位からのカウンタームーブメントジャンプを全力で回行わせ,その時の動作をビデオカメラで撮影するとともに(120Hz),地面反力を計測した(1000Hz).同時に,腰,大腿,下腿,足に慣性センサを貼付し,各部の並進加速度および角速度を計測した(200Hz).慣性センサでは,測定される並進加速度および角速度は,慣性センサ座標系で値となるため,各成分の大きさはセンサ座標系の向きの影響を受ける.そこで,カルマンフィルタを用いて時々刻々の重力方向をもとに座標変換を行うことで,絶対座標系での並進加速度および角速度を推定するアルゴリズムを構築した.また,本研究で用いるニューラルネットワークについても検討した.多層パーセプトロン(Multilayer perceptron,MLP),畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network,CNN),長・短期記憶(Long short-term memory,LSTM)の3つを用いて慣性センサで測定した腰,大腿,下腿,足の並進加速度および角速度から地面反力を推定した結果,LSTMの推定精度が最も高かった.したがって,本研究では,LSTMを用いて跳躍動作を評価するシステムを構築することとした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
跳躍動作データの収集やニューラルネットワークの構築は完了しているが,被験者数が十分でなかったため,(3)やや遅れているとした.
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度では,被験者数を増やすとともに,慣性センサデータとLSTMを用いた跳躍動作の評価に関わるパラメータの推定を進めていく.また,得られた研究成果を学会や学術雑誌で公表していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画通りに被験者を集めることができず,被験者謝金およびデータ解析のための人件費での支出が少なかったため.令和2年度では,被験者数を増やし,謝金と人件費として使用する予定である.
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