| 研究課題/領域番号 |
19K19951
|
|---|
| 研究種目 |
若手研究
|
| 配分区分 | 基金 |
|---|
| 審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
|---|
| 研究機関 | 順天堂大学 |
|---|
研究代表者 |
山下 由莉 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (50821675)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
| キーワード | 細胞外マトリックス / パールカン / 骨格筋 / 運動 / ミトコンドリア |
|---|
| 研究成果の概要 |
筋内ミトコンドリア変化を中心とした運動効果の分子機構を、細胞外マトリックス分子パールカンに焦点をあて検討した。パールカン欠損骨格筋では、免荷（尾部懸垂）時のPGC1αのタンパク質発現量低下率が抑制され、定常ないし運動負荷時のPGC1αやミトコンドリアダイナミクス関連因子の遺伝子発現量が増加傾向となった。つまり、パールカンは筋内ミトコンドリアの量だけでなく質にも影響する可能性がある。一方、運動後の筋内パールカン遺伝子発現量の変化は明らかではなかったが、そのヘパラン硫酸鎖を修飾する酵素の発現量変化が見出された。よって、パールカンは運動時に糖鎖構造を変化させ運動効果をもたらす可能性が示唆された。
|
| 自由記述の分野 |
運動生理学、細胞生物学
|
| 研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、運動による各種疾患や老化に対する抑制効果が示され、骨格筋機能維持の重要性が着目されてきた。本研究成果は、運動刺激増減時の骨格筋動的変化に細胞外マトリックス一分子が一役を担っている可能性を示すものである。現在、本研究で明らかとなったパールカン制御性のシグナル変化に加え、電気刺激やストレッチチャンバーを用いた細胞運動モデル、パールカン欠損筋衛星細胞の培養系を併用することで他臓器への影響をもたらす遠隔効果因子の解明に着手している。これにより、適切な運動強度の検証や運動模倣薬の開発といった運動効果の臨床応用に向け、新たな分子学的アプローチへ貢献することが期待される。
|
