研究課題/領域番号 |
19K19960
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
飯田 祥明 南山大学, 理工学部, 講師 (40711172)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 深度センサー / スポーツバイオメカニクス / 教育工学 / 動作フィードバック / 動作分析 / バスケットボール / フリースロー |
研究実績の概要 |
2019年度における本研究の主な実績はフリースロー動作の運動結果に基づく即時的なパターン分析システムを構築したことである。 具体的には簡易式の深度センサーであるazurekinectとキャプチャソフトであるicpro(ヒューテック株式会社製)を用いて、数十試行のフリースロー動作を撮影したのち、シュートされたボールの軌道に基づいて、即座に被験者者の異なる動作パターンを抽出することが可能となった。例えば、バスケットボール競技においてシュート確率に強く影響することが確認されているボールの投射角の大きい試行と小さい試行それぞれの動作を平均化し、スティックピクチャや時系列データの重ね合わせから「ループが高いシュート動作パターン」と「ループが低いシュート動作パターン」の差異をプレイヤーやコーチにリアルタイムでフィードバックすることが可能となった。また、azurekinectは先代のkinectv2と比較して、高速度動作におけるマーカー追尾性などが向上していることも確認できた。さらに撮影後のマーカー自動追尾機能をフリースロー動作用に開発できたため、フィードバックの即時性についてもより向上した。 この実績については、日本バスケットボール学会学会大会にてポスター発表を行い、研究者や現場のコーチらに向けて本研究により開発されたシステムが大人数の研究データ収集や指導現場での客観的な動作フィードバックに活用可能であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度の計画は即時的なフリースロー動作パターン分析システムを作成することであった。その点では今年度は予定通り順調に研究が進んでいるといえる。 ただし、2019年動作終盤から新型コロナウイルス感染症蔓延の影響でソフトの改良に支障が出始めている。さらに今後はシステムを実際に活用したうえでフィードバックの効果を検証していく段階に入ってくるが、対人での研究が困難な状況が続くと研究に遅れが生じる可能性が懸念される。
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今後の研究の推進方策 |
先述のように、現在の対人での実験が困難な状況下では計画通りに研究を進めることが出来ない可能性があり、方向性のシフトが必要となる可能性がある。例えば、撮影精度やフィードバックの即時性を高めるためのシステム改良など、現時点で実施できる実験・検証を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
概ね想定していた通りの支出総額であったが、学会発表のための旅費が、想定していたものを下回ったため600円が次年度使用額となった。
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