研究課題/領域番号 |
19K19961
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研究機関 | 聖泉大学 |
研究代表者 |
山越 章平 聖泉大学, 人間学部, 講師 (00837122)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 大学生アスリート / パーソナリティ / 反すう特性・省察特性 / 対人関係 / 精神的健康 |
研究実績の概要 |
本研究では、以下の2点を解明することを目的とした。1つ目は、反すう特性・省察特性が大学生アスリートの精神的健康に与える影響は、指導者からの被受容感および被拒絶感を媒介するというモデルについて検討することであった。2つ目は、反すう特性・省察特性が大学生アスリートの精神的健康に与える影響は、チームメイトからの被受容感および被拒絶感を媒介するというモデルについて検討することであった。 私はこれまで、1つ目の目的を明らかにするために、136名の大学生アスリートを対象に質問紙調査を実施した。データ分析については、まず、反すう特性・省察特性が被受容感および被拒絶感に与える影響を検討するため、反すう特性と省察特性を独立変数、被受容感と被拒絶感を目的変数として、それぞれの目的変数ごとに重回帰分析を行った。その結果、反すう特性から被受容感への影響は有意ではなかったが、省察特性は有意な正の影響を与えていた。また、反すう特性は被拒絶感に有意な正の影響を与えており、省察特性は有意な負の影響を与えていた。 次に、反すう特性、省察特性、被受容感、被拒絶感を独立変数、ストレス反応および主観的幸福感を目的変数として、それぞれの目的変数ごとに重回帰分析を行った。結果は、ストレス反応に対しては反すう特性のみ有意な正の影響を与えており、主観的幸福感に対しては反すう特性が有意な負の影響を、省察特性および被受容感が有意な正の影響を与えていた。 以上から、反すう特性が高い大学生アスリートは、ストレス反応が高まりやすく、主観的幸福感が低下しやすいことが示されたが、そこには被受容感および被拒絶感は媒介していなかった。一方の省察特性が高い大学生アスリートは、高い主観的幸福感を維持しやすく、そこには被受容感が媒介していたことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度から2つ目の研究のデータ収集を実施する予定であったが、新型コロナウイルスの影響のためデータ収集が実施できず、予定していた計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、大学生アスリートのパーソナリティ特性、対人関係、精神的健康を扱った研究である。そのため、新型コロナウイルスの状況が落ち着き、大学生アスリートが通常通りの活動が実施できるようになってから、データ収集を行っていく予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は、情報収集および研究発表のため2つの学会に参加する予定であったが、諸事情により1つの学会しか参加することができなかった。また、人件費についてはデータ入力や資料整理などを学生にしてもらう予定であったが、全て私自身で行ったため使用しなかった。これらが、次年度使用額が生じた理由と考えます。
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