心血管疾患の基礎病変であるアテローム性動脈硬化発症の原因として肥満や腸内細菌叢の異常が指摘されている。運動習慣がアテローム性動脈硬化症を予防することは報告されているが、腸内細菌叢の変化を介した予防効果があるかは明らかでない。本研究は、病態モデルマウスを用いて、運動によるアテローム性動脈硬化発症予防に対する腸内細菌叢の影響を明らかにすることを目的とした。病態モデルマウスにおいて、自発運動による腸内細菌叢の部分的な改善や肝臓での脂質関連タンパクの増加による肝臓での脂質代謝改善が観察されたが、腸内細菌叢の移植実験より、腸内細菌叢単独の要因による予防効果ではないことが明らかとなった。
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