研究実績の概要 |
本研究は体育・スポーツにおける技術指導支援モデルの構築に向け、サッカーのドリブルスキルを題材に、指導法の開発と効果検証を目的とするものである。そのため、2019年度はサッカーのドリブルスキル向上における技術的変化を検証するために、幼児を対象に6ヶ月間のドリブルトレーニング(以下、DRI-TR)を実施し, トレーニング前, 2ヶ月後, 6ヶ月後のドリブルテストとスプリント走テストの所要時間や試技映像を比較検討した. 結果は以下の通りである。 1)スプリント走テストのTimeは, 両群共にトレーニング前と比較して, トレーニング2ヶ月後と6ヶ月後に有意に減少したが, ドリブルテストのTimeはTR群のみトレーニング前より2ヶ月後, トレーニング2ヶ月後より6ヶ月後に有意に減少した. 2)ドリブルテストのボールタッチ数は, TR群のみトレーニング前と比較して, トレーニング2ヶ月後と6ヵ月後に有意に減少した. ミス回数においても, TR群のみトレーニング前より2ヶ月後, トレーニング2ヶ月後より6ヶ月後に有意に減少した. 3)ドリブルテストのボールタッチ毎のボール蹴り足つま先とボール中心の距離の最大値の平均は, TR群のみトレーニング6ヵ月後に有意に減少した. また, その最大値の標準偏差においても, TR群のみトレーニング前より2ヶ月後, トレーニング2ヶ月後より6ヵ月後に有意に減少した. 4)TR群のドリブルテストのTimeが減少した要因として, ボールタッチ数やミス回数, ボール蹴り足つま先とボール中心との距離の最大値の平均, 及びその最大値の標準偏差が減少したことから, 疾走能力の向上と共に,そのスピードが落ちないようにボールを自分の足が届く範囲内にコントロールしながら, それを安定して維持する技術的変化があったことが示唆された.
|