研究実績の概要 |
筋力トレーニングでは,ダンベルやバーベルといった器具を用いて短縮性筋活動 (挙上動作,CON) と伸張性筋活動 (降下動作,ECC) を連続して繰り返す方法 (ECC/CON) が一般的であるが,最大限のトレーニング効果を得るために特に重要なのはECCとされる.しかしながら,トレーニング効果を最大化させるECCトレーニング法は確立されていない.そこで,本研究は筋肥大及び筋力増強効果を最大化させるためのECCのみの筋力トレーニング法を確立することを目的とした. 2022年度は,2020-2021年度に実施した実験データを論文化して英文誌 (JSCR) にアクセプトさせることが出来た.その研究ではアームカールにおいて相対強度が等しい場合にもECCがCONと比較して疲労困憊に至るまでに多くの回数を反復することが出来ることを示した.しかしながら,前述の通り筋力トレーニングではCONとECCを連続して繰り返す方法 (ECC/CON) が一般的である.これまでに,ECC,CON,ECC/CONの3様式間で最大重量 (1RM) や疲労困憊に至るまでの反復回数を検討した研究は少ない. 2022年度はECC, CON, ECC/CONの3様式間で1RMおよび疲労困憊に至るまでの反復回数を比較することを目的として実験を実施した.対象はトレーニング経験を有する男子大学生12名とした.アームカール,ベンチプレス,スクワットのECC/CONの1RMを測定し,各種目において80%ECC/CON1RMの重量でECC, CON, ECC/CONの最大反復回数を測定した.また,ECCおよびCONの1RMを測定し,それぞれの80%1RMの重量で最大反復回数を測定した.その結果,3種目すべてにおいて1RMと最大反復回数ともにECCがECC/CONおよびCONと比較して有意に高値となった.
|