当該年度はアンプティサッカー競技者を対象としたフィールドプレイヤーの切断レベルとポジションをもとにフィールドテストおよび試合分析を通じて適正なパフォーマンスの参考値を取得することを目的としていた。フィールドテストには20m sprint testと20m W agility testを用いた。試合分析として総移動距離、カテゴリー別の移動距離、加減速の頻度の測定はglobal positioning systems technologyを用い、心拍応答の測定はshort-range radio telemetry deviceを用いた。スプリントテストでは低レベル切断群が高レベル切断群よりも有意に速かったがアジリティテストでは差はみられなかった。低レベル切断群は高レベル切断群よりも総移動距離とsprintingの値が有意に高く、双方のグループともに総移動距離はフォワード、ミッドフィルダー、ディフェンダーの順に有意に高くなる傾向がみられた。高レベル切断群では加減速ともに後半は前半の頻度に比べ有意に低い傾向がみられた。≧95% HRmaxの持続時間の割合では全てのポジションで高レベル切断群は低レベル切断群よりも有意に高いことが明らかとなった。示された参考値は適正なパフォーマンスの基準として最適なプレーモデルの立案に使用できる可能性が示唆される。
|