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2019 年度 実施状況報告書

最新の三次元心エコーを用いた起立耐性低下の機序解明と健康な体力の上限設定への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K19984
研究機関杏林大学

研究代表者

平吹 一訓  杏林大学, 医学部, 医員 (70793694)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード起立耐性能力 / 左室捻転運動
研究実績の概要

本研究は健康維持に適切な運動量の上限を決めるために最大酸素摂取量と起立耐性機能の関係を明らかにすること、その関係を引き起こしている生理学的機序を明らかにすることを目的としている。この目的を達成するために本年度はアンケートによる被験者候補の選定、最大酸素摂取量の測定、起立耐能力評価、起立負荷時の3D心エコー測定を行った。
アンケートは本学学生(1年生)に対象として行った。小・中・高校生時代の定期的な運動経験の有無より被験者として中体力者と高体力者を抽出した。その後、中体力者12名、高体力者12名に対して自転車エルゴメーターと呼気ガス分析装置を用いた最大酸素摂取量測定を行った。それぞれの最大酸素摂取量は中体力群より、高体力群の方が有意に高く(P<0.05)、アンケートを基にした体力レベルの区分と矛盾しない結果となった。さらに全ての被験者に対して下肢陰圧負荷(LBNP)試験を行い、その際の左室機能を3D心エコーにて測定した。起立耐性能力の指標であるcumulative stress index(CSI)は中体力群(1467±596 mmHg・min)の方が高体力群(1010±472 mmHg・min)よりも有意に高く(P<0.05)、先行研究の通り、起立耐性能力は中体力群の方が高いという結果となった。LBNP増強に伴う左室機能の変化を2群間で統計学的に比較したところ、両群とも左室心筋ストレインと左室駆出率は低下した。中体力群では左室捻転角度は増加し、左室ほどけ速度は加速した。一方、高体力群ではこの左室ほどけ速度の加速が認められず、起立耐性能力低下の一因であると考えられた。中体力者におけるLBNP中の左室機能の変化については第67回日本心臓病学会学術集会で発表を行った。今後は被験者数を増やし、さらに細分化した体力レベルでの区分を行い、適切な運動レベルの上限の設定を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最終的な進捗状況は順調であるが、被験者の獲得において時間を要した。現在はその課題も改善されたので次年度以降も測定を継続し目標被験者数を確保する。

今後の研究の推進方策

引き続き最大酸素摂取量の測定、起立耐能力評価、起立負荷時の3D心エコー測定を実施する。被験者数を増やし、さらに細分化した体力レベルでの区分を行い、適切な運動レベルの上限の設定を目指す。

次年度使用額が生じた理由

当初購入予定であった物品の新型が予定使用額を超過してしまい、購入のために共同研究者と共同購入という形をとったため未使用分が生じた。未使用分は次年度の学会発表の経費にあてることとしたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 三次元超音波検査による前負荷減少時の心機能指標についての検討2019

    • 著者名/発表者名
      平吹一訓
    • 学会等名
      第67回日本心臓病学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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