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2020 年度 実施状況報告書

最新の三次元心エコーを用いた起立耐性低下の機序解明と健康な体力の上限設定への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K19984
研究機関杏林大学

研究代表者

平吹 一訓  杏林大学, 医学部, 医員 (70793694)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード起立耐性能力 / 左室捻転運動 / 心臓リモデリング
研究実績の概要

本研究は健康維持に適切な運動量の上限を決めるために最大酸素摂取量と起立耐性機能の関係を明らかにすること、その関係を引き起こしている生理学的機序を明らかにすることを目的としている。本年度は新型コロナウイルスの影響で被験者数を増加できなかったため、昨年度に取得したデータを元に起立耐性機能と詳細な心機能の関係について評価・解析を行った。
中体力者12名、高体力者12名に対して下肢陰圧負荷(LBNP)試験を行い、その際に3D心エコーにて測定した左室機能について解析を行った。昨年度の結果(過度な陰圧負荷に伴い、中体力群では左室捻転角度は増加し、左室ほどけ速度は加速した。高体力群ではこの左室ほどけ速度の加速が認められず、起立耐性能力低下の一因であると考えられた)より、心臓リモデリングの影響を疑い、左室ほどけ速度に影響する形態学的因子について評価・解析を行った。EDVi (r=0.50, p=0.01), ESVi (r=0.58, p<0.01), Torsion (r=-0.57, p<0.01), 球形率 (r=-0.54, p=0.01)は左室ほどけ速度と相関関係を認めた。重回帰分析ではTorsion(β=-0.454,p=0.03)と球形率(β=-0.454,p=0.03)が共に左室ほどけ速度に有意な負の影響を認めた。つまり左室が球形であるほど過度な起立負荷時の左室ほどけ速度が遅かった。持久性運動による心臓リモデリングでは心臓が球形となるため、起立耐性能力低下を引き起こす原因かもしれない過度な起立負荷時の左室ほどけ運動加速の鈍化と持久性運動による心臓リモデリングが関連することが示唆された。昨年度の結果については第75回日本体力医学会大会で発表を行った。今後は被験者数を増やし、さらに細分化した体力レベルでの区分を行い、適切な運動レベルの上限の設定を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルスの影響で被験者の獲得は遅れが生じているが、その分、予定よりも前倒しでデータの統計学的解析を行った。全体的には順調な進展と判断する。

今後の研究の推進方策

最大酸素摂取量の測定、起立耐能力評価、起立負荷時の3D心エコー測定を実施する。被験者数を増やし、さらに細分化した体力レベルでの区分を行い、適切な運動レベルの上限の設定を目指す。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の影響によって実験を行うことができず、学会への参加もweb開催であったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] スポーツ心臓に着目した起立不耐性の機序解明:3D心エコーを用いて2020

    • 著者名/発表者名
      平吹一訓
    • 学会等名
      第75回日本体力医学会大会
  • [学会発表] Underlying Mechanism of Orthostatic Intolerance due to Athlete’s Heart; An Approach with Three-Dimensional Echocardiography2020

    • 著者名/発表者名
      Kazukuni Hirabuki
    • 学会等名
      ECSS 2020 - 25th Annual Congress of the European College of Sports Science
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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