研究課題/領域番号 |
19K19986
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
奈良岡 佑南 順天堂大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (50828522)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 女性アスリート / 月経痛 / 栄養素摂取量 |
研究実績の概要 |
女性アスリートは、身体的な特徴から、「利用できるエネルギーの不足」「無月経」「骨粗しょう症」といったFemale Athlete Triad; FAT(女性アスリートの三主徴)を発症することが多い。FATは、無理な食事制限や過度な運動により、摂取エネルギーを消費エネルギーが上回ることで起こり、選手生命の短縮に繋がる。また、無月経や月経異常にはならなくとも、月経痛は80%もの女性が感じており、特にアスリートでは日々の練習に影響を及ぼす。したがって、月経痛の軽減は女性アスリートのコンディショニングにおいて課題となっている。本年度の目的は、月経痛と関連する要因を探索することであった。本研究は、バレーボール、水泳、新体操、チアリーディング、バスケットボール等を専門とする1週間に12時間以上運動習慣のあるアスリート、及び一般女性のデータを取得し、月経痛を引き起こす要因となり得る生活習慣及び栄養素摂取状況について解析を行なった。月経痛が重い群では軽い群と比較して、栄養素では、動物性タンパク質、植物性タンパク質、ビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB12、n-3脂肪酸の摂取量が有意に少なかった(p<0.05)。食品では洋菓子や清涼飲料水の摂取が月経痛が重い群において摂取量が有意に多かった。さらに、飽和脂肪酸やn-6不飽和脂肪酸の摂取量が月経痛が重い群で多く、これらの脂肪酸がプロスタグランジンの生成を助長することで月経痛が重くなることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り研究を遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度のため、論文の執筆が主な課題となる。これまでにデータの取得を終えているので、この研究のテーマでもある除脂肪体重を中心に解析を行い、8月を目処に論文執筆を行う。また、臨床スポーツ医学会で発表を行う。さらに、本課題で明らかとなった結果は女性アスリートのコンディショニングのためのエビデンスとして、普及させていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19により、2020-2021年度の被験者測定ができず、研究計画を2年後ろ倒しにしたため、次年度使用額が発生した。
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