研究課題/領域番号 |
19K19988
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中島 理恵 日本大学, 薬学部, 助教 (50708667)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 若手アスリート / 健康教育 / アンチ・ドーピング / 教育教材 |
研究実績の概要 |
多くの禁止薬物が指定されているアスリートには、常に‘うっかりドーピング’の危険性がつきまとう。従って、アスリートは体調が悪くてもドーピングを恐れて医薬品の使用や服用を過度に躊躇したり、逆に身体づくりのため一般人よりもサプリメントを積極的に摂取するなど独特の健康行動を示すことが明らかになっている。先行研究では、特にアンチ・ドーピング教育を受ける機会の少ない若手アスリートにおいて、従来の禁止薬物の情報提供に留まらない包括的な健康教育の必要性を指摘している。本研究では、若手アスリート向けの健康教育教材を開発し、開発した教材の教育効果を測定する。本研究を行うことにより、将来のトップアスリート候補である若手アスリートの健全な身体づくりに必要な健康知識や行動の向上が期待される。 令和元年度は、主に教育介入研究で使用する若手アスリートに向けた健康教育教材開発を行った。①栄養士やスポーツ科学の専門家との協議を重ねることにより、若手アスリートに向けた包括的な健康教育教材の内容を検討した。②健康教育教材の国際化を視野に入れ、英国のスポーツ医学及び薬剤師から教育媒体や教育方法についての助言を得た。③アスリート向けの健康教育およびアンチ・ドーピング活動についての文献レビューを行った。④国内外の専門家および研究者の意見を取り入れて、若手アスリート向けの健康教育教材(コミック教材)を作成した。作成した健康教育教材には、アンチ・ドーピングの知識のみならず、正しい栄養摂取の方法やサプリメント・栄養ドリンクとの付き合い方、女性アスリートの健康問題等、若手のアスリートにとって必須な健康知識が学べるものとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年度は、栄養士やスポーツ科学の専門家、英国の研究者などの協力を得ながら、健康教育教材の開発を行った。開発した教材を用いて若手アスリートに教育介入を行い、教育効果の評価を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大防止の影響を受け、協力予定の大学等(国内)が休校措置となり延期となり休止の状態である。
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今後の研究の推進方策 |
①令和元年度に開発した若手アスリート向けの健康教育教材を用いた健康教育を本学のスポーツ科学部の協力を得て実施する。 ②健康教育効果の測定ため、教育対象者に向けたアンケート調査を実施する。 ③国内の大学での教育効果を評価し、本教材の修正を行う。 ④教育教材の国際化に向けて教育教材の翻訳や教育実施国の状況に合わせた本教材の修正を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、大学等で行う教育介入が延期となり令和元年度の実施が次年度に繰り越された。繰り越された予算人件費、謝金等は、令和2年度に予定されている教育介入の際に使用し、研究の加速化をはかる予定である。
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