研究実績の概要 |
自然環境で泳ぐオープンウォータースイミング (OWS) では、波や流れといった自然現象に合わせた泳技術が必要な上に、集団での泳ぎ方が重要となる。だが、①OWS中の泳技術の評価法や②集団泳中のレース分析法は確立されていないため、「自然環境での泳技術はどのように評価できるか?」「集団泳のレースはどのように評価できるか?」という点においては、未解明である。本研究では、自然現象に合わせた泳技術を明らかにし、評価システムを開発することで、OWSの競技力向上やコーチング方法に繋げることを目的としている。 課題1:慣性センサ・ドローンを用いた画像解析・GPSを併用することで、自然環境の泳技術評価を検証する。 課題2:確立した評価方法を、集団泳におけるレース分析に応用する。 これらの課題を達成することで、自然環境での泳技術評価および集団泳のレース分析法を開発する。これまでのOWSの研究では、パフォーマンス記録 (Rust et al., 2014) を評価した報告も存在するが、海での泳動作を慣性センサの抽出情報を定量化した報告は,ストローク頻度 (富川ら, 2014, Baba et al., 2017; 2018)を除けば,ほとんど見当たらない。 この研究はOWS競技力向上、水難事故防止に貢献できる可能性があり、プールのみならず、自然環境下で自己保全能力を高める教育のための貴重な情報になることが予想される。
|