研究実績の概要 |
2020年度の調査期間中(2020年6月~9月)に814件の練習が報告された(室内=411件, 屋外=403件)。熱中症の発生率は1.44/1,000 AE (95%CI, 0.96–2.08)で、屋外活動の方が室内活動より高値を示したが、統計学的に検討すると室内と屋外で熱中症の発生率にほとんど差はないという結果となった(室内, 1.14/1,000 AE, 95%CI=0.46-2.36; 屋外, 1.31/1,000 AE, 95%CI=0.81-2.00)。これは屋外の方が高い発生率を示した昨年度と異なる傾向の結果であった(昨年度参考値:室内, 1.34/1,000 AE, 95%CI=0.46-3.08; 屋外, 2.27/1,000 AE, 95%CI=1.42-3.44)。運動開始時WBGTの平均は26.3±3.0°C (17.3–35.6°C)で、運動開始時WBGTの平均値は屋外(26.6±3.5°C ; 範囲, 17.3-35.6°C)の方が室内(25.8±2.6°C ; 範囲, 19.3-32.3°C)より高値を示した。運動開始時のWBGTが28°C以上と28°C未満の条件下を比較した場合、WBGTが28°C以上の条件において熱中症が1件以上発生するオッズは2.6倍 (95%CI, 1.14–5.96; p=0.02)であった。熱中症予防対策が講じられた219回分の練習(全体の37%)において、特に実践数が高かった取り組みは(1)休憩時間の増加、(2)運動強度の調整、(3)運動時間の短縮)であった。
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