研究実績の概要 |
2021年度の調査期間中(2021年6月―9月)に新たに247件の夏季運動部活動が報告され、これまでの調査期間中(2019―2021年度)で収集した解析対象データは、計1,426件、述べ運動部活動参加者人数は39,382名となった。 3年度分のデータから算出された運動部活動中の熱中症発生率は2.06/1,000 AE (95%CI, 1.63–2.56)で、屋外活動の方か室内活動よりも統計学的に優位に熱中症発生率が高かった(屋外, 2.44/1,000 AE, 95%CI=1.90―3.09; 室内, 1.03/1,000 AE, 95%CI=0.51―1.83)。その理由の一つとして、屋外競技においては1つの練習中に複数名の熱中症症状を訴える学生が認められるケースが多いことが影響していると考える。 運動開始時のWBGTが28°C以上と28°C未満の条件下を比較した場合、WBGTが28°C以上の条件において熱中症が1件以上発生するオッズは4.0倍 (95%CI, 2.14―7.27; p<0.001)であった。これをWBGT31℃以上と未満の条件下で比較すると、オッズは7.1倍 (95%CI, 3.62―14.41; p<0.001)に増加した。
|