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2021 年度 実施状況報告書

気象と傷害データに基づいた熱中症予防のための運動指針の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K19996
研究機関早稲田大学

研究代表者

細川 由梨  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (30822829)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード熱疲労 / 湿球黒球温度 / 傷害発生率
研究実績の概要

2021年度の調査期間中(2021年6月―9月)に新たに247件の夏季運動部活動が報告され、これまでの調査期間中(2019―2021年度)で収集した解析対象データは、計1,426件、述べ運動部活動参加者人数は39,382名となった。
3年度分のデータから算出された運動部活動中の熱中症発生率は2.06/1,000 AE (95%CI, 1.63–2.56)で、屋外活動の方か室内活動よりも統計学的に優位に熱中症発生率が高かった(屋外, 2.44/1,000 AE, 95%CI=1.90―3.09; 室内, 1.03/1,000 AE, 95%CI=0.51―1.83)。その理由の一つとして、屋外競技においては1つの練習中に複数名の熱中症症状を訴える学生が認められるケースが多いことが影響していると考える。
運動開始時のWBGTが28°C以上と28°C未満の条件下を比較した場合、WBGTが28°C以上の条件において熱中症が1件以上発生するオッズは4.0倍 (95%CI, 2.14―7.27; p<0.001)であった。これをWBGT31℃以上と未満の条件下で比較すると、オッズは7.1倍 (95%CI, 3.62―14.41; p<0.001)に増加した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大の影響から、新規学校に参加協力を募ることができなかった。参加校においては、運動部活動停止などによる活動日数の制限が認められたため、研究対象日数の確保が困難となった。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染症の影響によって高等学校のリクルーティングが難航していることを鑑み、株式会社ユーフォリアを経由して本研究の案内を送付する予定である。早稲田大学の人を対象とする研究に関する倫理審査委員会には、本変更内容に関する変更届を提出しており、すでに受理されている。
現在、81件分の熱中症データが報告されており、2022年度の調査データを追加することで延べ件数が100件を越える見込みである。これらのデータをもとに、練習中に実施されている安全対策の内容および対策の数によって、熱中症発生のオッズに変化がでるのかについて今後検証を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスパンデミックの影響で、予定していた国際学会への参加が困難となった。

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公開日: 2022-12-28  

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