研究課題/領域番号 |
19K19998
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研究機関 | 大阪体育大学 |
研究代表者 |
国正 陽子 大阪体育大学, 体育学部, 助手 (20804355)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 超音波 / 筋酸素飽和度 / 走運動 / ランニングエコノミー / 弾性利用 / 生体データ |
研究実績の概要 |
ヒトは他の動物とは異なり、多様な身体運動を可能にしている。動物においては、それぞれが特徴的な骨格や筋腱の形態を有しており、特定の運動の能力を高めるためにこれらが機能している。そのため、ヒトにおいても、特定の身体運動の能力を高めるために、骨格や筋腱の形態が有利に働いていると考えられる。本研究では、ヒトの骨格・筋腱の形態的特徴が身体運動能力を高めるためにどのように機能しているのかを明らかにするために、一般人との形態的特徴の違いが確認されている陸上長距離選手や競泳選手に着目し特徴的な骨格・筋腱形態と運動中の筋の力学特性や代謝特性からそのストラテジーの解明を目指す。 本年度は、下肢の骨格・筋腱の形態的特性。力学的特性と陸上長距離選手の走動作、走効率、長距離走パフォーマンスとの関係について検討した。実験では、陸上長距離選手を対象に超音波装置を用いて膝蓋腱・アキレス腱の形態、下腿三頭筋とハムストリングス筋群の形態測定及び、腹筋とアキレス腱のスティフネスの測定を行った。加えて、呼気ガス分析器を用いて、レースペースを含む5段階の走速度におけるランニングエコノミーの測定を行った。これらのデータから、走効率を高める下肢の骨格・筋腱の形態的・力学的優位性の抽出を行っている。腓腹筋とアキレス腱の力学的特性については、走効率の高い長距離選手ほど、腓腹筋のスティフネスが大きいことが明らかとなり、現在、国際学術雑誌への投稿に向けて準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予算の関係上、当初購入を予定していた筋代謝測定装置を購入することができず、別の機器の購入を検討することとなり、装置が揃うまでに予定以上に時間がかかってしまった。そのため、予定をしていた走運動中の筋代謝測定の開始が遅れてしまった。2年目は運動中の筋代謝測定法を確立し、下肢骨格・筋・腱形態との関連について検討していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は骨格・筋腱の形態的な特徴と走運動中の筋の力学特性や代謝特性との関連を明らかにするため、まず、筋自体のエネルギー消費量が長距離走パフォーマンスを示す全身のエネルギー消費量にどの程度反映されるのかを検討し、筋の代謝特性評価として適切な評価方法の検討を行う。その後、様々な競技レベルの長距離選手を対象に下肢骨格・筋腱形態や力学的特性と筋機能特性について検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
測定の開始が遅くなったため、被験者への謝金や分析補助者への謝金の支払いがなくなった。これらの予算は2年目の測定時の謝礼金として使用する予定である。
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