研究課題/領域番号 |
19K20002
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研究機関 | 茨城県立こども病院(小児医療・がん研究センター) |
研究代表者 |
林 立申 茨城県立こども病院(小児医療・がん研究センター), 小児医療研究部門, 研究員 (00752510)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 小児肥満 / メタボリックシンドローム / 運動療法 / アディポカイン / 慢性炎症 |
研究実績の概要 |
水戸市付近の学校に通う肥満度30%以上の小学生を対象に参加者募集の活動を開始した。地域医師会、水戸市教育委員会を通じて各学校に情報提供、チラシの配布などを行った。インターネットを介して応募があった児童(保護者)に対して研究登録し、運動療法を含めた介入プログラムの実施を開始した。介入は従来の栄養指導、生活指導に加え週1回の運動療法を計3か月間とした。介入前後に身体計測、アンケートによる生活習慣調査、血液検査などによる評価を行い、その変化を検討した。
現在までに計15名の肥満児童に対して介入プログラムを実施し、終了している。3か月間の短期介入で対象者の肥満度は39.6%±13.9から37.1%±14.0となり、有意に低下した(p < 0.01)。そのほかBMI-SDスコア、腹囲身長比も有意に改善した。生活習慣調査では介入後に児童の休日における運動時間が1日40分から70分程度に有意に増加した(p < 0.05)一方、テレビ視聴やゲームなどのスクリーンタイムは明らかな変化はなかった。血液指標では介入後にAdiponectinが9.0±3.8から10.8±4.5μg/mLに上昇(p < 0.05)、慢性炎症マーカーである高感度CRPが有意に低下した。対象児童が保有する心血管危険因子数(腹囲増大、高脂血症、高血圧、高血糖)は介入後に有意に減少した。
短期間で低密度の運動介入プログラムであっても肥満児童の運動習慣(運動時間)改善が促され、adiponectin、慢性炎症マーカー及び心血管危険因子の保有数の改善が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
運動介入プログラムの参加者は当初の予測以上に集まらなかった。その一因として集団運動療法のために毎週放課後に1時間の時間を確保することは保護者や児童にとって容易ではないと考えられる。 さらに新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、対象者の追加募集活動、運動療法、研究そのものの実施を中断せざるを得ないため、進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 現時点では目処が立っていないが、新型コロナウイルス感染症流行が沈静化し、研究活動ができる時期に参加者募集、介入プログラムの再開をする。
(2) 肥満を主訴に研究代表者が所属している施設(病院)を受診される児童をコントロール群としてリクルートし、外来診療と並行して研究をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)前述の理由で研究の進捗状況が遅れているため、介入プログラムが次年度以降へ持ち越すことになった。それに伴う経費の発生も次年度以降への持ち越しとなる予定。
(使用計画)介入プログラム前後に行う血液検査の検査費及び集団運動療法の場所利用料が主となる。そのほか学会出張や論文発表にかかわる費用としても使用する予定である。
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