研究課題/領域番号 |
19K20003
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
山下 大地 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 研究員 (00734815)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ジャンプ / キネマティクス / キネティクス / ハイパフォーマンススポーツ / トレーニング |
研究実績の概要 |
跳躍動作はスポーツにおいて非常に重要な動作であり、跳躍動作のメカニクスや跳躍高を高めるトレーニングについてはこれまで多くの研究がなされてきた。しかしながら高い跳躍能力の選手をさらに向上させることは難しく、そのためにはトレーニング科学、バイオメカニクス、運動学習の知見を総合し、選手個人の特性に合ったトレーニングを処方する必要がある。したがって当該年度ではまず、①高い跳躍高を可能にする跳躍動作のバイオメカニクス的特徴を明らかにすることを目的として実験を行った。 様々な競技のトップアスリート72名(男性49名、女性23名)を対象とし、腕振りなし、反動ありのカウンタームーブメントジャンプを行った。身体の右側10か所にLEDマーカーを貼付し、側方に設置したハイスピードカメラ(120fps)およびフォースプレート(1200Hz)より地面反力および各LEDの座標を取得した。 男性・女性共に同様の結果が得られた。跳躍高とピークパワーおよびボトム局面(反動による身体重心最下点)のフォースに正の相関がみられた。一方でピークパワーとボトム局面のフォースとの間には相関がみられなかった。またボトム局面のフォースは同局面の股関節・膝関節・足関節トルクと正の相関を示した。 上記の結果より、ピークパワーとボトム時の地面反力は独立で跳躍高に貢献していることが示唆され、ピークパワーを高めるトレーニングと、ボトム局面の下肢関節のトルク発揮を高めるトレーニングにより跳躍高を高めることができることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
多くのアスリートのデータを取得することができた。加えて、3年目で予定しているフィードバックトレーニングのためのシステム作成も進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の申請書に沿い、まずはトレーニング実験を行う予定であるが、昨今の状況により、介入実験ができない可能性がある。その場合は、次に予定している外的フィードバック効果の検証ができるよう、フィードバックシステムの作成を進めておく。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文掲載料が次年度支払いになったため。
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