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2019 年度 実施状況報告書

クライオセラピーにおける分子メカニズムの探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K20004
研究機関筑波大学

研究代表者

菅澤 威仁  筑波大学, 医学医療系, 研究員 (60821840)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードクライオセラピー / アイシング / 筋 / 腱 / 分子シグナル
研究実績の概要

本年度は、クライオセラピーが影響する分子シグナルを探索した。我々が過去に報告した方法を用いて、C2C12筋芽細胞および3T3L1線維芽細胞に対し、冷却刺激を実施すると、早期にcAMP response element binding protein (CREB)のリン酸化の顕著な亢進がみられ、数時間のタイムラグを持ち、次いでAdenosine monophosphate-activated protein kinase (AMPK)の顕著なリン酸化の亢進が見られ、培養細胞に対する冷却刺激が、CREBおよびAMPKの顕著な活性化を引き起こすとを世界で初めて見出した。
引き続く実験では、CREBの活性化に着目し、実験を行った、CREBの活性化はCREB-binding protein(CBP/p300)のリクルートを引き起こし、下流の遺伝子発現を増加させることが知られており、冷却刺激を行った場合でも同様の現象が起こるかどうか検討した。FLAGタグ付きのCBPをHEK293細胞にトランスフェクションし、その後冷却刺激を与え、CREBへのCBPのリクルートを免疫沈降法およウエスタンブロッティング法で確認した、その結果、CREBのリン酸化に伴いCBPのCREBへのリクルートが確認された。さらにCREBの結合領域であるcAMP responsive elementにルシフェラーゼ遺伝子を繋いだ発現plasmidを用い、冷却刺激によるCREB転写活性をHEK293細胞で確認したところ、冷却刺激に応じで、転写活性が有意に上昇した。
マウスの筋組織を用いたex vivo実験でも、記の結果を支持するように、CREBのターゲット遺伝子であるPgc1aなどの発現が上昇した。
これらの結果から、クライオセラピー(局所への冷却刺激)のターゲット分子の1つがCREBであることが強く示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度はクライオセラピーの分子シグナルを探索し、大きく変動する分子シグナルを同定出来た。

今後の研究の推進方策

本年度は主に、培養細胞や、筋組織を用いた実験を行ってきたが、さらなる科学的根拠の構築のためには、生体(1個体)を用いる事が重要だと考えられる。現在適切なクライオセラピーの効果を正確に評価できるin vivoモデルを、マウスやゼブラフィシュを用いて構築している。構築後はオミックス解析を用いてクライオセラピー更なる効果と分子メカニズムを探索する予定である。

次年度使用額が生じた理由

14,376円の残額である。実験の進行はおおむね順調であるため、本残額は物価変動などの影響による変動の範囲であり、大きく逸脱していない。また、消耗品を予定よりも安く購入できたため、支出を抑えられた。残額は次年度のin vivo実験の消耗品購入費として利用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Influence of Intermittent Cold Stimulations on CREB and Its Targeting Genes in Muscle: Investigations into Molecular Mechanisms of Local Cryotherapy2019

    • 著者名/発表者名
      Sugasawa, T, Yoshiya, T, Takeuchi, Y, Yahagi, N, Sharma, R, Aita, Y, Yoshida, Y, Tokinoya, K, Sekine, N, Takeuchi, K, Ueda, H, Maruyama, R, Morita, S, Kawamai, Y, Takekoshi, K
    • 雑誌名

      Preprints

      巻: 1 ページ: 1-21

    • DOI

      doi: 10.20944/preprints201904.0277.v1

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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