研究課題/領域番号 |
19K20005
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研究機関 | 東海学園大学 |
研究代表者 |
白井 祐介 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 助教 (40836251)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知的負荷 / 中大脳動脈 / 酸素化動態 |
研究実績の概要 |
本研究は、運動中の認知的負荷の増大が持久性パフォーマンスに及ぼす影響を明らかにするとともに、その際の持久性パフォーマンスの低下または向上に前頭前野の脳活動レベルが関与するかを明らかにすることを目的としている。これまでの研究結果から、認知的負荷の増大が持久性パフォーマンスに及ぼす影響には個人差があり、認知的負荷が加わることで高強度運動の運動継続時間が低下する被験者と向上する被験者が認められた。さらに、その際、前額部で評価した近赤外線分光法による脳酸素化動態から、認知的負荷が加えられたことで運動継続時間が減少する被験者では、酸素化ヘモグロビン濃度の顕著な低下が認められることが明らかになった。そこで、2021年度は、前述した酸素化動態の指標に加えて、超音波画像診断装置を用いた中大脳動脈の平均血流速度の評価を実施した。3名の被験者に対して、運動のみ条件および運動+認知課題条件にて、運動継続時間および中大脳動脈平均血流速度 (MCAVmean) を測定した。その結果、運動時間とともにMCAVmeanが低下傾向を示すことが確認できた。本研究の結果は、認知的負荷の増大が持久性パフォーマンスに及ぼす影響が、前頭前野のような局所的な変化に起因するのか、それとも脳の血液循環といった全脳的な変化によるものであるのかを検討することにつながると期待される。しかし、認知的負荷を課すことによる影響を基準として、比較を行えるだけの十分な被験者を確保できなかったことから、最終年度においてサンプル数を増やし、引き続き検証を行なっていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
中大脳動脈の血流速度の評価を実施できた点で進捗がみられたが、当初予定していたインターバル運動時における認知的負荷の増大が運動パフォーマンスに及ぼす影響についての実験を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究結果を踏まえ、2022年度は運動中の認知的負荷が持久性パフォーマンスに及ぼす影響について、中大脳動脈の平均血流速度を指標とした検討を継続して実施する。また、年度後半よりインターバル運動時における検証に取り組んでいく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
中大脳動脈の血流速度を測定するためのプローブおよび呼気ガス分析装置のキャリブレーションガスの費用を物品火として計上した。しかし、被験者のリクルートが難航したこと、参加予定の学会がオンライン開催となり参加を見合わせなたことなどから、年度予算に未使用分が発生した。
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