本研究では、「単関節運動による酸素摂取量の時定数で骨格筋の酸素利用能を評価できる」という仮説に基づき、単関節運動による酸素摂取量の時定数を評価する方法論を確立した。 そこで単関節運動による心肺運動負荷試験を開発し、嫌気性代謝閾値が同定できるか、嫌気性代謝閾値の70%での定常負荷の単関節運動において酸素摂取量が定常状態に達するかを検証した。 まず、単関節運動における心肺運動負荷試験の妥当性を検証するために、単関節運動による心肺運動負荷試験を実施し、嫌気性代謝閾値を同定した。結果として全ての症例で単関節運動に伴う心肺運動負荷試験で嫌気性代謝閾値を同定が可能であった次に同定された嫌気性代謝閾値の70%の負荷での単関節定常運動負荷試験を行い、酸素摂取量が定常状態に達するかを検証した。結果として全ての症例において酸素摂取量の定常状態が確認された。 それゆえ単関節運動に伴う酸素摂取量の時定数を測定する方法論は、本研究にて確立した。今後は、単関節運動にともなる酸素摂取量の時定数が骨格筋の酸素利用能力の指標として妥当であるかを検証していく必要がある。
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