• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

シットスキー選手のスポーツ傷害予防と競技力向上のためのバイオメカニクス的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K20008
研究機関独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター

研究代表者

笹代 純平  独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツメディカルセンター, 専門職 (20758221)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード障がい者スポーツ / クロスカントリースキー / 肩甲骨 / バイオメカニクス / ポーリング動作 / 電磁ゴニオメーター / シットスキー
研究実績の概要

平成31年度(令和元年度)は,電磁ゴニオメーターを用いたクロスカントリースキーのポーリング動作の三次元動作解析のプロトコルを決定するために,各種の予備実験を実施した.本研究では健常者を対象として立位と座位の2条件で磁気式の三次元動作解析をおこないスキーエルゴメーターを使用したポーリング動作時の肩甲骨や肩関節,体幹の運動学的特徴を捉えた.
スキーエルゴメーターから得られるポーリング動作のパフォーマンス指標から,シットスキーのような座位でのポーリング動作は立位と比較して,競技パフォーマンスの指標であるポーリングのパワーが低いことを確認した.さらに,磁気式三次元動作解析の結果から,座位では下肢運動が制約されるため動作中の上肢・体幹の関節角度が立位の場合と異なることが明らかになった.このことが下肢や体幹に障がいを有するシットスキー選手の肩関節のスポーツ障害に関与している可能性が示唆され,現在さらに詳細なデータ解析を進めている.
次年度(令和2年度)は実際に下肢や体幹に障がいのあるパラクロスカントリースキー選手や,競技レベルの高い健常なクロスカントリースキー選手を対象に,立位と座位の実施順を無作為として測定を行うとともに,疲労が肩関節などの上肢スポーツ障害につながる可能性も考慮して,ポーリング動作の実施時間を長くするなどの疲労課題を設定し,前後での比較を行うことで疲労による影響についてもさらに明らかにしていく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スキーエルゴメーターの調達など,年度当初から順調に進めたが,電磁ゴニオメーターによる測定・解析方法の確立に時間を要した.また測定機器の不具合もあり,1回の測定に要する時間も長くなってしまいスケジュールが多少遅延した.しかしながら,平成31年度は健常者を対象に,ポーリング動作の三次元動作解析の適切な実施時間を設定し,プロトコルを確立することができたので,健常者に関するパイロットデータを国内の学術大会に演題登録し,国際誌に投稿まで行うことができた.

今後の研究の推進方策

令和2年度は異動により所属機関・研究環境が変わったことで,測定実施のための前所属機関への旅費や,追加の購入物品等で費用が掛かると予測される.これについては成果発表のための学会参加等で計上していた予算などを転用しながら対応していく.
そして平成31年度(令和元年度)の成果を踏まえて,パラクロスカントリースキー選手や健常のクロスカントリースキー選手を対象とした測定を実施していく予定である.さらに,競技レベルの違いによる肩甲骨運動への影響についても分析をおこなっていく.成果についてはスポーツ関連学会,国際誌での論文発表を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

シットスキーの作成・購入に充てていた費用が,郵送費のみ負担の無償貸与にて対応できたために予算に余裕ができた.研究代表者が異動となったため,次年度は測定実施のための旅費や備品の購入等が必要となるためこれを充当したい.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Analysis of team-sport wheelchair falls during the Rio 2016 Summer Paralympic Games: a video-based cross-sectional observational study2020

    • 著者名/発表者名
      Sasadai J, Maeda N, Shimizu R, Kobayashi T, Sakai S, Komiya M, Urabe Y
    • 雑誌名

      BMJ Open

      巻: 10(3) ページ: 1-7

    • DOI

      doi: 10.1136/bmjopen-2019-033088

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] シットスキーのポーリング動作は肩関節運動を変化させるか2020

    • 著者名/発表者名
      笹代純平,浦辺幸夫,森川将徳,事柴壮武,沼野崇平,山本圭彦,前田慶明
    • 学会等名
      JOSKAS-JOSSM 2020

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi