研究課題/領域番号 |
19K20015
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
野口 亜弥 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (70823722)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 東南アジア / ジェンダー / スポーツ / 開発 |
研究実績の概要 |
本研究では、開発と平和のためのスポーツに着目し、東南アジアのジェンダー平等に資するスポーツの役割を明らかにすることを目的としている。日本政府が東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機にスポーツ国際協力を拡大し、中でも東南アジアのジェンダー課題についてスポーツから取り組むことを推進する中で、スポーツに内在する西洋のジェンダー規範が現地の規範と混ざり合いどのように現地のスポーツの中でどのようなジェンダー規範が見られるのか、また現地において女性のエンパワーメントにおいてスポーツがどのように位置づけられ、役割を担っているのかを明らかにすることを目的としている。 2020年度は2019年度にパイロット調査として実施したフィールドワークで収集したデータの分析を行った。タイとマレーシアのフィールドワークで収集したデータを現象学コーディングとオープンコーディングを用いてそれぞれ分析をした。タイにおいても、マレーシアにおいても、スポーツに見られるジェンダー規範は現地の伝統的なジェンダー規範に影響を受けていることが明らかとなった。また、女性アスリートの身体が政治的に利用されている傾向や、政策立案者がジェンダー課題を包括的にとらえきれていない傾向が示唆された。 タイで収集したデータでは、学会にて分析結果と考察を発表したのち、学術誌に論文を提出し、現在査読審査中である。マレーシアの調査結果は学会で発表し、現在学術論文への投稿準備を進めた。 2020年度はCOVID-19の影響でフィールド調査が実施することができなかったため、本調査に向けてエンパワーメント理論の先行研究から理論的枠組みを再考した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定では本調査で現地に訪問してフィールドワークをする予定であったが、COVID-19の影響を受け実現することができなかった。パイロット調査の分析結果から、分析枠組みをさらに精度の高いものにしていく必要性や、本調査において政府関係者ではなく現地のスポーツ関係者への調査の必要性が考えうるため、フィールドワークの実施の可能性の検討や方法を引き続き検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、マレーシアの分析結果、及びタイとマレーシアの比較分析の結果をまとめ、学会、学術誌で発表をする。本調査に向けた計画を再考し、関係各所とフィールドワークの調整を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVI-19の影響によりフィールド調査が実施できなかったため。
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