研究課題
アディポネクチン(APN)とマイオスタチン(MSTN)が連関して骨格筋機能と脂肪組織を制御している可能性が考えられるが、減量中の体組成の変化とAPN、MSTNの関係は不明である。そこで本年度は減量成功の有無による体組成変化とAPN、MSTNの分泌動態を検証し、それらの関係性を明らかにすることを目的とした。肥満外来の減量プログラムに参加した肥満患者66名(年齢:46.8±14.0歳、BMI:34.3 (31.0-38.4) kg/m2)を対象とし、体重減少率が5%以上の有無によって2群に分類した。減量プログラムは、監視型および自宅での有酸素運動と筋力トレーニングを含めた週3回以上の運動療法、管理栄養士による月1回の栄養指導、公認心理師による月1回のカウンセリングを6ヵ月間実施した。その結果、全患者の平均体重減少は7.5%であった。減量成功の有無を問わず、体脂肪率は有意に減少し、除脂肪率、APNとMSTNは有意に増加した。MSTNの変化量は、除脂肪率とAPNの変化量との間に負の相関を示し、MSTNの変化量を従属変数とする重回帰分析の結果、APNのみが独立因子として抽出された。これらの結果から骨格筋と脂肪組織のクロストークによってMSTNとAPNの分泌を制御し、骨格筋量の調節に寄与している可能性が示された。
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