研究課題/領域番号 |
19K20028
|
研究機関 | 神戸国際大学 |
研究代表者 |
武内 孝祐 神戸国際大学, リハビリテーション学部, 助教 (10738058)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | ストレッチング |
研究実績の概要 |
これまでの研究で、スポーツ現場においては20秒間の静的ストレッチングが実施されていること、また、20秒間の静的ストレッチング後には筋腱複合体スティフネスは変化しないことを報告してきた。筋腱複合体スティフネスを低下させることは筋腱障害予防の観点から重要である。よって、本研究課題の目的は20秒間で筋腱複合体スティフネスを低下することのできる静的ストレッチング方法を検討することである。 本年度は静的ストレッチングの強度に着目し、20秒間の高強度静的ストレッチングがハムストリングスの柔軟性と筋力に及ぼす影響を検討した。対象は健常成人の右ハムストリングスとし、20秒間の高強度静的ストレッチングを実施した。静的ストレッチング前後で柔軟性と筋力を測定した。柔軟性の測定項目として、関節可動域、受動的トルク、筋腱複合体スティフネスを測定した。また、筋力の測定項目として等速性収縮時の膝屈曲トルクを測定した。NRSを用いて静的ストレッチング中の痛みを記録した。その結果、高強度静的ストレッチング後には関節可動域と受動的トルクの増加、および筋腱複合体スティフネス低下が認められた。膝屈曲トルクは変化していなかった。また、高強度静的ストレッチング中は強い痛みが生じていたが、静的ストレッチング終了後および24時間後にはその痛みは消失した。これらの結果から、高強度の静的ストレッチングを利用することで、20秒間で筋腱複合体スティフネスを低下できることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通りに研究を行うことができた。また、得られた研究成果は国際誌に採択された。
|
今後の研究の推進方策 |
現在のところ高強度静的ストレッチングに関して良好な結果が得られている。しかし、高強度静的ストレッチングは強い痛みを伴う。そのため、今後は高強度静的ストレッチングの至適実施時間に関して検討を進めたいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で予定していた研究が中止となり、被験者および実験協力者への謝金が拠出できなかった。また、国際誌に投稿中の論文が1件あり採択後の掲載料が拠出できなかった。次年度は今年度実施できなかった研究をすすめて行く予定である。
|